１６：結い紐 ページ38
禁門の変から
１０月のある日の昼下がり。
お昼までの家事を済ませ、
土方さんに買って頂いた結い紐を持って
縁側に座っている。
起きてから結んだ髪を解き、
今まで使っていた結い紐の先端に
付けていた勾玉を外す。
今の今まで使っていた結い紐が
変えようとしている最中。
千鶴「ただいま」
A「姉様に原田さん、おかえりなさい」
巡察から帰ってきた姉様が
原田さんと一緒に庭から声を掛けてきた。
原田「結い紐か？何付けてんだ？」
A「雪村家の頭領に代々受け継がれている
勾玉です。大事な物なので、
肌身離さず付ける為に
結い紐に結んでいるんですよ」
千鶴「この小太刀の小通連も、その一つだよね」
原田「……でも、
千鶴は頭領じゃねえだろ？」
A「姉様が村を出るときに、
お守り代わりに私が渡したんです。
私が持ってる打刀の大通連と対なんですよ」
原田「なるほどな」
鬼の記憶が戻った姉様は、
あれから何の抵抗も無く鬼の頃の話を
するようになっていた。
時たま姉様とは
小さい頃の話をして盛り上がる事も出来ている。
千鶴「そういえば、原田さんが
お団子買ってくださったの。一緒に食べよう？」
A「お団子！原田さん、ありがとうございます」
原田「気にすんなって。
そんなんでいいなら、いつでも買ってきてやるよ」
ここの人たちは時間があると
甘味を買ってきてくださる。
本当、私たちは幸せ者です。
原田「やべっ！
土方さんに報告しに行かなきゃいけねえんだった。
じゃあ、またな！」
A「いってらっしゃい」
姉様と二人で原田さんを見送って、
縁側で姉様とお団子を頬張る。
皆さんが買ってきてくれるお団子、
すっごく美味しいんだよね！
お団子を一つ口に入れてまた、
私は結い紐に勾玉を付けだした。
千鶴「それ、重くないの？」
A「慣れちゃったよ」
フフッて笑うと、姉様も笑ってくれる。
この穏やかな時間が大好きだ。
勾玉も付け終わり、
下していた髪を束ねようとした時に気付いた。
A「櫛、忘れちゃった」
千鶴「手櫛でも出来るから、やってあげる」
すぐ後ろが自室なのだけれど、
姉様がやってくれるっていうから
大人しく座っている事にした。
姉様の指が頭を滑る。
その感覚がくすぐったい。
千鶴「動かないで！」
A「ごめんなさい」
穏やかな時間が流れて行った。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは！レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年8月27日 9時
