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広間の空気が
一気に和やかになる。
周りを見回せば、
お兄さんたちも微笑んでくれていた。
??「よっしゃ!
今日からAも俺たちの仲間って事だな!」
??「まさか、
鬼が仲間になるなんて思ってもみなかったがな」
鉢巻きのお兄さんと、
赤い髪を一つに結ったお兄さんが
"仲間"だと言ってくれた。
昔、父様が言っていた。
人間と結託すれば、
鬼は道具のように使われるって。
でも、ここの人たちは違う。
私たちを道具じゃなく、
仲間として受け入れてくれた。
私の判断は間違いではなかったんだ…。
この人たちに手を貸していいんだ…。
A「数百年振りに
雪村家は人間と結託します。
ですが、人間と結託するのはこれで最後です」
土方「分かった。
俺たちの最後まで、お前たちが見守ってくれ」
A「はい!」
満面の笑みで返せば、
広間にいたお兄さんたちの頬が
染まったように見えた。
そんな恥ずかしい事は
言ってないと思うんだけど…。
A「あの、一つだけよろしいでしょうか?」
土方「何だ?」
A「姉様には、
鬼について何も言わないでください…」
土方「別に俺たちは構わねえけど…。
お前はそれでいいのか?
唯一の家族なんだろ?」
もちろん姉様が鬼という事を
思い出させる方法もあるし知ってる。
いつでもそれは出来る。
だけど…。
A「姉様が今のままで
幸せに暮らせているのなら、
私は姉様の幸せを守りたいです。
鬼の記憶がないままでも、姉様は姉様です。
私の唯一の姉で家族なのは何も変わりません」
土方「分かった。鬼については他言しねえよ」
A「ありがとうございます」
話を全て終わらせて、
土方さんと一緒に姉様の部屋へ。
これから一緒に暮らすと言ったら、
姉様は泣いて喜んでくれた。
姉様が幸せなら、それでいい。
姉様と暮らせるなら、
姉様が鬼だと知らなくてもいい。
鬼としての人生は、姉様の分まで私が背負う。
そう、決意した。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時