雨と私と捨て猫と

15 ページ15

よく晴れた日の日曜日



子猫と出会ってから5日経っていた



なぜかわからないが私が訪ねていっても
おばあさんは優しく受け入れてくれる気がして



私は子猫用のミルクと猫じゃらしを持って
ミツさんの家に出掛けた



喜んでくれるかな？



でも迷惑にならないように
プレゼントを渡して猫ちゃんに挨拶したら
すぐに帰ろう



そう心に決めて橋を渡る



家はこの辺だったはず



キョロキョロしながら歩いていると
見た事がある門を見つけた



表札には早川と書いてある



ここだ！



門にはチャイムが無かったので
中に入って玄関でチャイムを鳴らした



― ピンポーン ―



数秒待つが返事は無かった



留守なんだ………残念



でもよく考えたらたった一回しか
会っていない人が訪ねて来たって
迷惑に決まっている



留守で良かったのかもしれない



そう思って帰ろうとした時



― ガシャン ―



家の裏から大きな物音がした



なんだろう…………？



なんか悪い予感がした



家の横から裏にまわる



『こんにちはー。おばあさんいますか？
この前、お世話になったAです』



泥棒と間違えられても困るから
声を出し続けながら奥に進む



裏には小さな畑があった



おばあさんが言っていた野菜は
きっとここで育てるんだろう



畑の近くには小さな物置き小屋があって
じょうろやバケツが散乱していた



明らかに様子がおかしい



バケツの横を見ると人の足が見えた



えっ？



そこには苦しそうに倒れているおばあさんがいた

16→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す