百花繚乱《JUMP》

3-13 ページ31

-翌日-



薮side



依頼の後処理で施設にやって来た。



昨日電話で、のりくんを見つけたこと、のりくんの引き渡しと報酬の受け取りで今日施設に伺うことを伝えてある。

無論、のりくんを渡すつもりは一切無いし、この後ここに警察が来ることになっている。



後は、施設側がどう立ち回るかなんだが…。





今から、俺と圭人でのりくんを連れて施設に入る。

俺が施設の奴と主に話をして、圭人がのりくんを守る係。


そして施設には既に雄也が潜入している。

もちろん能力を発動しながら。



念の為、伊野尾に施設の監視カメラ全てハッキングして様子を見てもらっているし、
俺達3人は、バレないようにインカムを片耳に装着している。




薮「…よし、行くか。」



岡「のりくん、けいとから離れちゃダメだからね。」






・







薮「今回は、依頼遂行のご報告と成功報酬を含む依頼料の受け取りに参りました。」



職員「あのすいません、忙しいんで手短に終わらせてくれませんかね？」



「はやくそのクソガキ寄越せよ」とでも言いたそうな大きな態度。

この施設の現状がひしひしと伝わってくる。



薮「あぁ、すみません。
ではこちらが依頼完了の報告書と、依頼料の請求書ですね。
昨日電話でお伝えした通りの金額ですので、ご用意頂けているかと。」



職「多少ぼったくりに思えますが。
まあ仕方ないですね。」


そう言い、取り出された封筒が荒々しく机の上に放り出された。



薮「依頼料ちょうどですね。お受け取りしました。

…本来はここで引き渡しなのですが、
あなた達にこの子の引き渡しは出来ません。」


職「…は？
くだらねえ話してないでさっさと帰れよ。」



薮「ほら、そういう所。
お察しの通り、この施設の実態はこの子からしっかり聞きました。

残念ですが僕達は警察では無いので、この施設を取り締まることは出来ません。
ですが、普段仕事を通じて警察と関わりがあるので、もう既に相談済みです。

それに、僕らの仲間にもこのような施設に恨みを持っている奴がおりまして…。



では、他の依頼が入ってますのでこれで失礼します。
ご利用ありがとうございました。」

3-14→←3-12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す