WESTに密着取材中！

神山くんに密着中 ページ12

耳元でそう呟かれて、私の心臓はもう破裂寸前だった。


神山「Aちゃん、」


A「…え？」


神山「……年下、って、恋愛対象外なん？」


驚いて、私は少しだけ後ろに振り返りながら首を神山くんに向けた。


すると、すぐそこに神山くんの顔があって。


真っ赤になった神山くんと目が合い、ドキリとする。


A「あ、えっと、、大丈夫？酔っちゃったね」



神山「酔ってるかもやけど、酔ってへんよ。」



A「え、あ、えっと」




後ろから抱きしめられていたその腕を、神山くんが外したかと思うと。


私の両肩に手を置かれ、くるりと体を回される。


正面から神山くんと向き合い、私は神山くんを見上げた。



A「神山く、」



そっと触れた唇。


柔らかいその唇は、私の唇にそっと優しく重なったままで。


目の前の神山くんは、目を閉じていて。


そのまつげの長さと濃さに、なぜか私は見惚れてしまって。



だけど、そっと神山くんの胸を押した。

神山くんは唇を離すと、私を切なそうな目で見る。



A「だめ、だよ。神山くん」



神山「なんで？」



少し切なそうに顔を歪めながらそう言うと、私の顎にそっと手を添えて、また唇を重ねられる。



A「、、っ、ま、って！ちょっとトイレ行ってくる！！」



そう言って、私は神山くんの胸を押して神山くんの腕から離れると、急いでトイレに入る。


胸のドキドキがおさまらない。

心臓が痛い。


私だって……実はもう長らく恋愛をしていないし。

何より年下の男の子から言い寄られた経験なんてないし。


なおかつ、こんなイケメンに言い寄られたことなんてもちろん人生で一度も、ない。



心臓のドキドキをおさえるために、私は必死になんどもなんども深呼吸を繰り返す。



あまり長居していると、トイレで大きい方をしていると思われてしまうかも…。



そんなことが気になり、トイレを出る。


リビングの扉の前で、大きく深呼吸。


落ち着いて。私。落ち着くのだ。

今日はもう帰ると伝えて、出ていくのだ。



ひーーーふーー。はぁ。



ガチャリ、とリビングの扉を開く。


A「神山くん！！今日はもう・・・って。あれ？」



神山くんは、顔を真っ赤にしたまま。


ソファに横になって。





寝息をたてながら、眠っていた。

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