白 ページ9
「つまり…Aは組織に手を貸していたのではないのだよ」
「は？」
太宰の言葉にA以外の全員は困惑し、Aだけはにこにこ笑っている。
「おかしいと思ったのだよ、Aが発信機に気づかないということが」
『ああ、これですか』
Aはポケットから何かを取り出す。
それは小さな機械で、電源は切れていた。
「Aほどの人物が気づかないわけがない、そして廃港で戦った時も私たちを殺さずに去った。
充分に殺せたはずなのにね」
『その時の状況もありましたけどね』
「しかしAは実際、組織に関与していたぞ！」
「そうだよ、国木田君。
確かにAは組織に関わっていた。
ただ、それさえも依頼のうちだとしたら？」
「なに？」
国木田はまだ警戒しつつもAを見つめる。
「Aの口から聞かせてくれ、君がどんな依頼を受けたのか」
Aは太宰の真剣な眼差しに、諦めたように息を吐いて渋々口を開いた。
『ボクが今回受けた依頼は、薬の流出阻止及び組織の長と薬の回収。
依頼主は……異能特務課』
「異能特務課ッッ！？でもAさんは特務課の依頼を断ったはずじゃ……！」
Aの言葉に真っ先に反応したのは敦だった。
『あれ嘘です』
「えぇ！？」
ケロリと言葉を返すAに敦は更に驚いた。
『流石にボクも異能特務課に目をつけられるのは困るので依頼は受けましたよ。
組織に手を貸すふりをして、情報を秘密裏に特務課に流してました。
その証拠に薬はまだ横浜に広がってないでしょ？』
「云われてみれば…薬に関する被害はまだ一例も上がっていない…」
国木田は自身の手帳を捲りながら確認する。
『組織が流したルートを全部特務課に伝えてましたから、流れるよりも前に全部押収されましたよ』
「それじゃあ組織の奴らを殺ったのはお前か？」
『ええ、薬の出元も判りましたし組織の人々も生かしてはおけないそうなので。
ただボスさんだけは生かしてますけどね』
中原の質問にAは頷きながら口角をあげる。
そしてAの足元の影がぶくりと泡立つと、気絶した男が現れた。
「そいつが……」
中原は睨むように男に目を向ける。
『それと、残りの薬もボクが回収しました』
男と同じように影から段ボールが出てくる。
その中には袋詰めされた白い粉が一杯に入っていた。
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jumpcontrolbear(プロフ) - 螺旋さん» コメントありがとうございます！！そんなに喜んでいただけて私も嬉しい通り越して恥ずかしいです(笑)またいつでも読みに来てください！ (2019年10月17日 0時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋 - 初めましてです!めっちゃすんごく感動しました!!なんでこんな良い作品に気付けなかったのだろう…。こんな素晴らしい夢小説を書いて頂きありがとうこざいました!!他作品(?)も頑張ってくださいね！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: db579f6a09 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます！！そんなふうに言って頂けて凄く幸せです！この作品を楽しんで頂けて何よりです！これからも頑張っていきます！！ (2018年10月16日 10時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 初めまして、素敵な作品を最後まで書いてくださりありがとうございました! 二次創作でこんなに素敵な作品に出会えるとは思っていませんでした。最後まで飽きない設定、魅力的な主人公、時の流れ方や人の掛け合いがどストライクでした。これからも応援しています!! (2018年10月16日 2時) (レス) id: a12fc59e9a (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - Nightさん» コメントありがとうございます！なんとか完結出来ました！また他の作品も頑張っていきます！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年3月23日 15時
