依頼完了 ページ11
森の発言にAは意外そうな表情を浮かべる。
『それはどうも』
「それじゃあ、近いうちに連絡させてもらうよ」
『ええ、お待ちしております』
プツリと連絡は途絶え静寂に包まれた。
「…そういうこった、俺達はこれで帰らせてもらうぜ」
携帯を仕舞うと中原は一度Aに視線を向けてから去っていく。
「何でも屋、次会う時は何処であろうと容赦はせぬ」
ゴホと咳を漏らしながら芥川も森の奥に消えていく。
辺りはすっかり暗くなっていた。
『…さて、お疲れ様でした』
Aは二人の姿が完全に見えなくなったところで探偵社の三人に向き直る。
「まさか本当に特務課からの依頼を受けていたとは……」
国木田は緊張の糸が切れたのか、ずっと構えていた銃を仕舞いながら息を吐く。
『皆さんに嘘をついて申し訳ございませんでした。
それだけ秘密裏に動かないと、勘づかれてしまうかもしれなかったので…』
申し訳なさそうにAは笑うと、軽く頭を下げた。
「じゃあ、もう薬が広まる心配は無いッてことですよね？」
『ええ、薬の出元も特務課の方々が突き止めたようですし心配はいりませんよ』
「よ、善かったぁ〜」
心底安堵した表情の敦にAはクスリと笑い、少し肩をすくめた。
『乱歩さんには気づかれてたみたいですけどね』
「乱歩さんが？」
谷崎に連絡をしていた国木田が顔を上げる。
「そう云えばここに来る前に乱歩さん、武装はしなくていいって云ってたね」
『あらら、そこまでお見通しだったとは』
太宰はどう意味か、とAに聞き返す。
『乱歩さんは、ボクが特務課から依頼を受けて、組織に潜入していることを推理したんですよ。
どのタイミングで乱歩さんが全てを見抜いたのかは判りませんが…恐ろしい頭をお持ちだ』
「そして、今日Aが組織を壊滅させることを判っていた。
だから武装する必要は無い、ということか」
『その通り』
Aは太宰の言葉を肯定するように深く頷いた。
「兎に角、俺達も戻るぞ」
話しがひと段落したのを感じて国木田は眼鏡を押し上げながら云う。
「そうですね、谷崎さんも待たせていますし」
敦と国木田が歩きだそうとしたその時
『すいません、ボクをお願いしてもいいですか？』
Aの口からそんな言葉が発せられた。
太宰がその意味を聞こうとした瞬間、Aは地面へと倒れ込んだ。
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jumpcontrolbear(プロフ) - 螺旋さん» コメントありがとうございます！！そんなに喜んでいただけて私も嬉しい通り越して恥ずかしいです(笑)またいつでも読みに来てください！ (2019年10月17日 0時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋 - 初めましてです!めっちゃすんごく感動しました!!なんでこんな良い作品に気付けなかったのだろう…。こんな素晴らしい夢小説を書いて頂きありがとうこざいました!!他作品(?)も頑張ってくださいね！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: db579f6a09 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます！！そんなふうに言って頂けて凄く幸せです！この作品を楽しんで頂けて何よりです！これからも頑張っていきます！！ (2018年10月16日 10時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 初めまして、素敵な作品を最後まで書いてくださりありがとうございました! 二次創作でこんなに素敵な作品に出会えるとは思っていませんでした。最後まで飽きない設定、魅力的な主人公、時の流れ方や人の掛け合いがどストライクでした。これからも応援しています!! (2018年10月16日 2時) (レス) id: a12fc59e9a (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - Nightさん» コメントありがとうございます！なんとか完結出来ました！また他の作品も頑張っていきます！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年3月23日 15時
