心を知らない少女はブラック本丸の主になるらしい【刀剣乱舞】

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「清光！！」


再び顕現した大和守安定が、加州清光を探して、本丸を歩き回っていた。


加州清光は、自らの手で行ったことを後悔し、折れた全ての刀が再び顕現したと知った時、真っ先にその場から立ち去っていたのだ。


それを止めるもは居らず、また、探す大和守安定を阻むものも居なかった。


大和守安定は、自分がいなくなって随分と変わった本丸を驚き、新鮮に感じていた。


そして、変わりながらも変わらない、以前加州清光と共に過ごした部屋へとたどり着いた。


「清光！！」


勢いよく障子を開けると、加州清光は部屋の隅でうずくまっていた。


「良かった、折れてなくて……」


何よりも心配していた安否が確認でき、ホッとしてその場に崩れ落ちた。


「鍛刀された中にも、残ってた中にも見つからなくて、心配したんだからな」


大和守安定が言うと、加州清光がボソボソと何か言った。


「え？何？」


聞き取れなかった大和守安定が聞き返すと、小さな声が返ってきた。


「何で、心配するんだよ……俺のこと……」


「何でって、当たり前だろ？あんな目にあってきたんだから」


大和守安定が最期に見た加州清光の姿は、手入れもされずボロボロで、涙や鼻水やらで顔をぐちゃぐちゃにして叫んでいる姿だった。


「良かった……手のひらも綺麗になってる。

でも爪は綺麗にしてないんだね……。

あんなに手入れをしてたのに」


膝に乗せられていた手を取り、ひっくり返して、大和守安定を折った時につけてしまった傷が治っていることに安心した。


それが原因で加州清光が折れてしまっていないかと、大和守安定は不安だったのだ。

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