呪6 ページ8
『それは…本当の本当に事実なの?』
慧星「はい。
…お嬢様が呪術を習うことが出来ず、この離れに隔離されたのは、お嬢様が呪術を通して呪力の使い方を知ればそのお体にどんな異変が起こり、周囲の人間にどんな影響を及ぼし兼ねるかわからなかった為…
本当は、当主様は悟様もお嬢様に会いに行くのを止めていらっしゃいました。しかし、悟様は毎日必ずお嬢様に会いにこられて…」
『……い…ちゃん』
飛音「お嬢様?」
『お兄ちゃんも、私に本当の事を教えてくれなかったってこと?』
そう言ってから自分が泣いていることに気づいた。
スカートの上に涙が落ちてシミを作っていく。
お兄ちゃんだけは、私に全てを教えてくれると思っていた。
私を「家族」だと認めて、私と向き合ってくれているって…
『…うぅ…っ』
美凰「お嬢様…ごめんなさい。本当に」
美凰が私を抱きしめた。彼女の涙が私の頬を垂れる。
そんな温かみさえも今はありがたいと感じられなくて美凰から体を離す。
美凰「お嬢さ」
『わかった。…ありがとう、話してくれて。
もう話すことはない?』
慧星「はい、…ございません。」
『…少し1人にしてくれる?』
慧星「分かりました。…行くぞ、美凰、飛音。」
はい、と慧星に静かに返事した2人は扉の奥に消えていき、慧星は私に向かって一礼すると扉を閉めた。
『…バカみたい』
涙が目に溜まって視界がぼんやり霞む。
私はカーテンを引いて光の入らなくなった部屋で
人生の中で1番泣いた。
______________________
悟「おーい、A。大丈夫?体調悪いの?」
暗闇の中でお兄ちゃんの声が聞こえる。
悟「ほんとに大丈夫?お医者さん呼ぼうか?」
私は…いつの間にか眠っていたらしい。
もうすっかり夕方だった。
『…大丈夫だよ。お兄ちゃん。おかえりなさい』
悟「ただいま、A。
遅くなってごめんね?誕生日、おめでとう」
『うん…ありがとう』
横になっている体を起こしていつものように上体だけ背もたれによりかかる。
悟「起きて大丈夫なの?」
『うん、ちょっと眠かったから寝ちゃっただけだから』
悟「そっか、そうだ!A!
今年の誕生日は何が欲しい?お兄ちゃんがなんでも買ってあげるぞー?」
『お兄ちゃんにはいつもたくさん貰ってるから、いらないよ』
悟「えーそんなこと言わずにさ?」
『…じゃあ…私の事、祓って、くれない?』
716人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lotus_r - にしきさん» にしき様。作者です。コメント、ありがとうございます!結局主人公ちゃんはお兄ちゃんを愛するが故にこんなに恨んでしまっているんですよね…続編で二人の関係性も少しずつ変わってくるので、続編もどうぞご愛読よろしくお願いいたします(*´ω`*) (2021年4月4日 13時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
にしき(プロフ) - 闇落ち最高です!!特に恨みを持って暴走する所とか!しかも最強に挑みに行く強さが好きです!続編も頑張ってください! (2021年4月3日 13時) (レス) id: 9dc5342073 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - easy R!!さん» easy R様。コメントありがとうございます。受験応援コメント凄く嬉しい…。ほんとにあと少しなので頑張ってきます! (2021年2月19日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
easy R!!(プロフ) - 受験頑張ってください!!応援してますー! (2021年2月15日 22時) (レス) id: 1f230199f3 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - あまね。様。作者です、コメントありがとうございます!私も闇堕ち大好きなんです!推しになるキャラも敵役が多かったりします笑少しずつ更新していくので是非楽しみにしていただければと思います! (2021年1月31日 19時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lotus_r | 作成日時:2021年1月6日 15時