呪24 ページ27
実体もないような静かな感触が私の頬を包み込むように伝わる。
真人は…こいつは一体なんなんだろう。
こいつは他の呪霊とは違う。
人を人として形づくる恐怖を恐れるという矛盾した感情から生まれたモノだからだろうか？
呪いが具現化すればきっとこいつが真の姿なんだろう。
そんな本当に近いものだからなんだろうか？
…そう。
なんと言おうがこいつは私とは違う。
ヒト、じゃなくてモノ、だから。
『…真人…この際だからはっきり言ってあげる。』
私はいつもとは違う様に静かに声を荒げず彼の手を払う。
そしてまた、口を開いた。
『私はね嫌いなのよ、呪霊なんて。
人間の本質はたしかに呪いだと思う。
ただ人間は認めたくない生き物なの。
汚いことをしていても自分は綺麗だと、何も悪くないと信じて生きている愚かな生き物なの。
だからアンタや先生の望みを否定することはしない。
だけど私は私の願いを叶えるだけ。
私を傷つけた人間達をやり返すだけ。自分の愚かさに気づかせてやるの。
私はアンタのその存在をただ許してるだけで関わろうとは１ミリたりとも思ってない。
…アンタが意思疎通できる呪霊で助かったわ。
私の言いたいこと理解できるでしょ？
私に抱いてる思いがなんなのか知らないけど私には必要以上に関わらないで。
いくら先生が仲間だと仰っても私は先生の前でただ笑ってるだけ。
アンタ達の事は少しも信じてないし信用もしない。
私の邪魔をするなら…祓う。
以上』
真人｢…｣
青白い顔をした呪霊は面白そうに笑うだけで何も言わない。
私は彼を睨みつけると自分の部屋へ戻って行った。
side:真人＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢だってさ、夏油｣
揺れる長く白い髪のAの姿が視界から完全に消えると俺は暗闇に向かってつぶやく。
そこからまるで影のように出てきたのは…夏油傑。
彼はニコリともせずただ気だるげそうに｢そうか｣と言った。
傑｢…2年経ってもまだ変わらないのか。…まったく使えない駒だ。
あんなに呪力が強くなければとっくに切っているのに｣
｢ふっ、まったく〜夏油も酷いなぁ？｣
傑｢何を笑っているんだ？
私はただAに人間としての感情を全て捨て無駄のない精錬された生命体になって欲しいだけだ｣
｢…夏油にとってAって何？｣
傑｢は？馬鹿げたことを聞くな。
お前の改造人間と何一つ変わらない。
使えなければ捨てるだけだ｣
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lotus_r - にしきさん» にしき様。作者です。コメント、ありがとうございます！結局主人公ちゃんはお兄ちゃんを愛するが故にこんなに恨んでしまっているんですよね…続編で二人の関係性も少しずつ変わってくるので、続編もどうぞご愛読よろしくお願いいたします(*´ω｀*) (2021年4月4日 13時) (
レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
にしき(プロフ) - 闇落ち最高です！！特に恨みを持って暴走する所とか！しかも最強に挑みに行く強さが好きです！続編も頑張ってください！ (2021年4月3日 13時) (レス) id: 9dc5342073 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - easy R!!さん» easy R様。コメントありがとうございます。受験応援コメント凄く嬉しい…。ほんとにあと少しなので頑張ってきます！ (2021年2月19日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
easy R!!(プロフ) - 受験頑張ってください！！応援してますー！ (2021年2月15日 22時) (レス) id: 1f230199f3 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - あまね。様。作者です、コメントありがとうございます！私も闇堕ち大好きなんです！推しになるキャラも敵役が多かったりします笑少しずつ更新していくので是非楽しみにしていただければと思います！ (2021年1月31日 19時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：lotus_r | 作成日時：2021年1月6日 15時
