イヤホン少女は優しい声が聞きたい１【呪術廻戦】

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Aside



“楽になりたい”＝感情を殺したい

私の術式上 感情を殺せば精神的に楽なのである。


感情…と言っても、マイナスなものだけ。

悲しい 苦しい 辛い 死にたい

そんなものを感じなければ、呪霊との戦闘時にイヤホンを外しても心は乱れずいつも通りに呪力操作が出来る。


それに、私自身が精神的に滅入ることがなくなる。



五条「…それはダメって言ったでしょ。」


『でも』


五条「でもじゃなくて。」



目隠しを外し、綺麗な蒼色の瞳と視線が絡む。



五条「感情を殺すのはダメ。
殺すって言っても感情に蓋をしてるだけ。
無視してるだけ。
いつかは限界が来るよ。

それに、相手が。自分以外が傷ついてる時。
何もわかってあげられないよ。
自分が傷つくことがなくなるから、無意識に大切な人を傷つけてしまうこともある。

それでも、いいの？
それでも尚、感情を殺したいって言う？」


『そんなの、やってみないとわかんないよ。』


五条「いや、絶対そうなるよ。
それで、Aは優しいから無意識に相手を傷つけて、後悔して、また1人で抱え込んで苦しくなるんだよ。」


『…なんでそんな断言できるの。』


五条「僕の好きな人がそうだったからね。」



その言葉に思わず目を見開く。



五条「僕らのもう1人の同期。殉職しちゃったけど。」


『え…。』


五条「そいつがね、感情殺してたんだよ。
すごく苦しそうだったし、ずっと心では泣いてた。
それに、どんな感情も大切にしないとって言ってた。

僕はAにアイツと同じことになってほしくない。
だから、感情を殺したいなんて言わないで？」

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