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あまりにも頼み込んで来るので、一回だけ手合わせをする事にした
「俺より五条さんの方が良いと思うけどね」
「五条先生は、何か忙しそうだし・・・。何より、天使先生とも戦ってみたい!!」
「ま、何でも良いけどね。純粋な殴り合いでお願いね。俺には呪力が無いから」
呪力を使った殴り合いなんて、俺に不利な条件である。呪力に対抗する術はあるが、そこまでする必要も無いだろう
殴り合い以外には使うけれど
「はい、始め」
手を叩いて合図をする。それと同時に展開される領域。そして、虎杖くんの前から歩いて離れ、何事も無かったように、伏黒くんの隣に腰掛けた
虎杖くんは、俺の幻と戦っているのだが、ここにいる誰もが気付いていない様子だった
手合わせを始めて、五分が経過しようとしている。戦っているのは、幻ではあるが、幻を越えられないのなら、俺に勝つのは、まだ早いと言ったところだろう
「サイモン、領域解除」
そう言ったが、領域が解かれる様子は無い
「一分毎に、一時間のお仕置きね」
ストップウォッチを動かして、裏向ける。そして、暫くするとサイモンの領域が無くなる。それに合わせて、ストップウォッチを止めて、何分が経ったかを確認する
「四分五十八秒。お仕置き時間は、四時間」
「は?」
「おっと、ごめんね、伏黒くん。君に言ったんじゃないよ」
隣にいた伏黒くんに、何だコイツみたいな目を向けられて、すぐに謝った
「・・・て言うか、何で俺の隣にいるんですか。虎杖と手合わせしてませんでした?」
「俺はずっと伏黒くんの隣にいたよ」
「は?」
「あはは、二回目」
随分と辛辣な反応をされたけれど、虎杖くんも急に相手がいなくなって困っているので、そちらの方に向かう事にした
「虎杖くーん」
「えっ!!?何で、先生そっちにいんの!!?目の前から、サーって消えた!!」
「それはね、俺が超能力者だからだよ」
「マジで!!?」
「いや、どう考えても、嘘だろ」
釘崎さんに間髪入れず、突っ込まれたが呪術界には、何があっても、おかしくは無いと思う。五条さんのように、瞬間移動する事が出来る人がいるのだから
人間と言うのも、計り知れないものである
「本当、虎杖くんはテンシみたいね」
「えぇ?」
「人を疑わないところとか」
思っていたよりも、純粋で心配になってしまう。どこかの誰かに似ていて、自分の事は二の次で、底無しの善人。そんなのだから、早死にする
「テンシっつたら、天使先生じゃね?名前が既にテンシじゃん!!」
ぼんやりと昔の事を思い出していると、虎杖くんがこちらに笑顔を向けて言った
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時