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「実はねぇ、俺が四級なのに特級の任務を押し付けられてね」
「ええ!!?何でそんな事・・・」
虎杖くんは自分がされた事を覚えていないのだろうか
「つっても、先生なら余裕ですよね」
「それがさ、見事にぶっ飛ばされて、今も節々が痛いわけよ。悟くん達が来なかったら、死んでたね」
「は、」
俺の返答に恵は驚いたように、目を見開いた
「何か最近やる気が、出なくて出なくて・・・。ま、俺がいなくても世界は回るから、大丈夫だよ」
「大丈夫な訳無いでしょ。バカなの?アンタ」
「釘崎さん、辛辣」
辛辣であっても、釘崎さんの場合は、優しさが大半を占めているので、特に思う事は無い
「順平くんのお陰で助かったけどね」
「先生がいなくなるのは、嫌なので」
「そっか。それじゃあ、授業を始めるから、席について」
順平くんが席についたのを確認して、今日の授業を始める
「えー、今日の授業は誓約についてです」
「誓約?」
「そうです。簡単な話、誓約は呪術界で言う縛りと似たようなものだね。ある程度のハンデを設けて、何かの力を得るっていう」
一概に同じとは言えないが、捉え方はそのぐらいで良いだろう
「先生は、何かその誓約があるんですか?」
「いっぱいあるよ。言えないけど。誓約と言うのは、それぞれ胸にしまっておくものだからね」
恵の質問に答えながら、授業を進める。誓約の話はすぐに終わり、次の話をする。皆は真面目に聞いてくれるので、サクサク進む事が出来る
「今日はこのぐらいかな」
「あざーっした!!先生って、難しい事してんね」
「呪術界と変わらないよ。人より守るものは多いけど」
それはそれで仕方の無い事なのだが、どうにも最近はやる気が出ない
「おい」
「何?デゼル」
授業を終えた瞬間に出て来たデゼルに訊く
「不吉なもんが、ゆっくりと近付いて来てる」
「どの辺から?」
「かなり遠い。関西ぐらいか」
「遠いな」
関西からゆっくりともなれば、電車か車か何か、その辺りだろう。つまり一週間もしない内に、こちらに到達する
「どうする?」
「近付くまでは様子見」
「分かった。近くまで来たら教える」
「よろしく」
俺に対しての不吉なもの、そう言われても思い浮かぶのは、交流会の時の虎杖くんの事件ぐらいだ。事故を装って、標的を殺す。しかも自分達の手を汚す事も無く
本当に迷惑な話だ
「じゃあ、また明日」
授業を終えて帰ろうと思ったのだが、任務が入った。それもまた俺に対する当て付けのようで、簡単なものでは無かった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時