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｢これのどこが四級の仕事なんだか｣
言い渡された任務に赴けば、そこにいたのは四級以上、特級以下の呪霊だった。どうしたら、こんな事になるのか
｢嘘の情報って事か｣
目の前の呪霊は、楽しそうに笑っている。人語は話さないものの、何かしらの言葉を発している
｢人の子とは、いつの時代も憐れよな｣
そう言うのが早いか、呪霊は一気にこちらに向かって来る。攻撃をされる事は分かっている。それを避けるのも容易い事である
しかし、自分はそれをしなかった
呪霊の攻撃は直撃して、壁まで吹き飛ばれる。防御も何もしていないので、当たり前のように痛い
｢おい!!死にたいのか!!?｣
｢別に良いんじゃない？死んでも｣
俺の中から出て来たミクリオに怒鳴られたが、この際どうでも良い
｢生きてても良い事は無いし、誓約は忘れられるし。そろそろ怒っても良いかなぁって｣
｢確かにな。お前が、そう決めたなら、それで良い｣
同じく出て来ていたアイゼンはそう言って、エドナを連れて少し遠くに歩いて行った
｢ダメに決まってるだろ!!君が死ぬ必要は、｣
ミクリオの言葉が途中で途切れ、見上げれば、呪霊がこちらに向かって、呪力を飛ばそうとしていた。隣にいたミクリオの事を突き飛ばし、飛んで来る呪力を受けようと目を閉じた
しかし、体に痛みが来る事は無かった
｢ほんっとに、Aの考えてる事って、意味不明なんだけど｣
｢まぁまぁ、それは仕方ないだろう？悟が一番よく知ってるはずだ｣
｢そうだけどー｣
そんな会話をしているのは、呪力を防いでくれた悟くんと傑くんだった
｢大丈夫かい？｣
｢俺は大丈夫だよ。最強が来てくれたからね｣
｢だよねぇ｣
｢立てる？｣
差し伸べられた傑くんの手を掴めば、引き上げてくれる。立ち上がって、埃を払う
｢全く。君と言う人は｣
｢回復するから、じっとしてろ｣
小言を言われながら、ミクリオに怪我を治してもらう。気が付けば、呪霊は消え去っていて、アイゼン達も近くに戻って来ていた
｢君達って不仲なの？普通、見捨てる？｣
｢見捨てた訳では無い。俺達にも俺達なりのケジメや流儀があるんでな｣
｢その通り。手間を掛けたね。二人共、仕事じゃなかったっけ？｣
最強である二人は、仕事が多いはずだ。それなのに四級である俺のもとに、来る理由が分からない
｢順平が、血相を変えて教えてくれたよ。Aんとこの仲間が、お前が危ないって伝えてくれたらしくてね｣
｢ライラか。仕方ないな｣
彼女は俺が消える事に、異を唱えるのは考えれば、すぐに分かるので深く追求しなかった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年1月2日 12時
