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｢ところで、夏油くん｣
｢何かな？｣
｢自分より断然格下だと思っていた人が、特級レベルだった感想をどう、イダダダッ｣
夏油くんに小声で訊いたのだが、いきなり頭を鷲掴みにされて、手の平から夏油くんの力がかなり伝わって来る
｢本当に君と言う人は、｣
｢痛い･･･｣
起きた時と同じぐらい頭が痛い
｢うおっ、何？五条くん｣
急に腕を引かれて振り向けば、五条くんの綺麗な目が、俺を見下ろしていた
｢一度しか言わないから、よく聞けよ｣
｢一度しか聞かないから、ちゃんと言えよ。イタッ｣
｢ふざけんな。･･･助けてくれて、ありがと｣
｢どういたしまして｣
俺を抱き締めて、耳元で微かな声で五条くんは言った。それを茶化す事は出来ず、肩に乗っている頭を撫でて、返事をした
｢夏油くん、体の調子はどう？｣
少しして五条くんが離れたので、夏油くんに訊いた
｢少し鈍ってるぐらいかな｣
｢ま、何かあったら、硝子の所に行くか。違和感があったら、すぐに硝子の所に行きなさいよ｣
｢分かってるよ｣
本当に分かっているのだろうか、とは思ったけれど、夏油くんはこれ以上、五条くんに迷惑を掛けたりはしないか。そう考える事した
｢ねぇ、待って。お前って、硝子の事、硝子って呼んでんの？｣
｢呼ぶようになった。それがどうかした？｣
五条くんの質問に答えて、問い掛ける
｢･･･僕の事は、ずっと五条なのに？｣
｢五条くんって、俺から悟って呼ばれるの嫌ってそうだから、妥協点でしょうよ。夏油くんも俺と親しくしたくないから、苗字呼びだって言ってたから｣
同級生をやっていた時、俺があまりにも弱いから、二人は俺を目の敵か何かにしていた。勿論、酷い事も沢山言われたが、特に気にしていなかった。人と言うのは、そう言うものだと知っている
｢そう言えば、悟はいつの間に天使と仲良くなったんだい？私がいなくなった時は、仲良くなかっただろう？｣
｢色々あったのー。コイツの力がヤバイって知ってから、仲良くしてる｣
五条くんの仲良くしている範囲が分からないが、仲良くされているのなら、それで良い
｢天使の力って言うのは？｣
｢地水火風を操って、祈りを捧げた者に加護を与える｣
｢それって、昔、悟が天使に、何が出来るのか訊いた時に答えてた･･･｣
そう、俺は一度、高専時代に五条くんに自分の術式の事を訊かれていた。術式では無いので、五条くんの目には理解出来ないが、一応だけど答えていた
それを二人は信じなかった
そして、そのまま卒業して、それぞれの道を歩んでいた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年1月2日 12時
