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それにしても源外のおっさんはこんな奴らに依頼してなにを作ってるんだか。こいつらに依頼するなんて、猫の手を借りるよりも悪手だぞ。
「もう少しでできるんじゃ……!」
源外のおっさんは汗を額に浮かばせながらがちゃがちゃと手元の機械をいじっている。
「なにがだ?」
「ボタンを押せば、どこかにひとっ飛びできる、夢の機械じゃ……!!」
「どこでもドアじゃねぇか。しかもタチ悪ぃやつ」
どこかって、どこだよ。怖ぇよ、急にマリアナ海溝とかに飛ばされたら。
「私、押してみたいアル!!」
神楽が興味津々にそのボタンを見ていた。好奇心は猫をも殺す、だぞ。
「いや、これが完成したら銀の字に押してもらうからな!」
お前、そんな恐ろしいモンの被験者として呼ばれてたのかよ。流石に仕事選べよ。
私に放り飛ばされた場所で座り込んでいる銀時は頭を掻きながら、その機械を見つめていた。
源外のおっさんはそれをそんなに待たずして完成させた。
「どうじゃ!これが半年かけて研究し続けた苦労の結晶!!“どこでもボタン”じゃ!!」
「完全にパクってんだろそれ」
すまんな、ツッコミポジとっちまって。
新八がかかっているメガネが存在感を失い、消えそうになっている気がする。
源外のおっさんの手のひらにおさまるそのボタンを私は訝しげに見た。何の変哲もないただのボタンに見える。そんなボタンひとつで本当にどこかに飛べんのかよ。
源外おっさんが銀時にそのボタンを手渡した。
どうせ銀時が2mぐらい先に吹っ飛ばされるぐらいだろう。
銀時はその小さなボタンをまじまじと見た。
「ほんとに作動すんのかよ」
私はそのボタンのことを信じていなかった。
「押して見たらわかる!銀の字!押してみぃ!!」
「気になるなら見てみろよ」
銀時はそのボタンを私めがけて放り投げた。おい危ないだろうが。私は向かってくるそれをしっかり見て、キャッチした。
だが、キャッチした時に嫌な音がぽちっと鳴った。私の手のひらで受け取った衝撃でそのボタンが押されてしまったのだ。
おい、なんでこんな危ないもんに、こんな柔かいボタン付けた、源外のおっさん。
やべぇ、と思った時にはもう遅く、私は意識を失っていた。

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フルーツパンチ侍(プロフ) - mooさん» ありがとうございます(^ ^) ふらつきシリーズも、もう次の6作目まで。終わる終わる詐欺はしないので(きっと)、やっと脱稿して私も多分チーズ蒸しパンになれます(˘ ˘) (2023年9月24日 2時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです! (2023年9月22日 0時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年8月29日 19時