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目が覚めると ページ5

ゆっくりと意識が戻り、最初に感じたのは背中に当たる柔らかさだった。次に、ガンガンと襲ってくる頭痛。目を開けたはいいものの、真っ暗で何も見えなかった。けれどベッドに寝かされているようなので、あのまま外に放置されたわけではないらしい。


誰かが、見つけてくれたのか。


痛む頭を押さえ、ふぅ、と安堵のため息をついた。



「…起きたのか」
「ひぃ!」
「何驚いてんだ、俺だよ!」


突然至近距離からした声に驚いて叫ぶと、ぼうっと点灯された懐中電灯のライトに、白い顔が照らし出される。…五条先輩だ。いやそんな、幽霊みたいな照らし方…。


「ご、五条先輩…何ですか、その照らし方…」
「いや、いきなり部屋の電気点けたら眩しいだろうと思ったんだよ。先輩の気遣いだろーが」
「す、スミマセン…お心遣い感謝いたします…」
「分かればよろしい」



点けるぞ、という合図とともに、五条先輩が部屋の電気を点けた。それにより分かったが、ここは高専の寮の、慣れ親しんだ自分の部屋だった。テーブルの上にはスポーツドリンクやゼリー、冷却シートや、いくつかの風邪薬が山積みになって置いてあるのが見える。


その中から体温計を引っ張り出してきて、五条先輩が私に差し出した。



「ん。お前が起きたらまず体温測らせろって、硝子が」
「ハイ…」
「何飲む?コンビニの棚にあるやつ全種類買ってきたから、何でもあるぜ」
「…お水」
「ん」



いつになくせっせと動く五条先輩に少し驚きつつも、大人しく体温計が鳴るのを待つ。ピピピ、という電子音が響くと、先輩が「渡せ」と言いたげに手を差し出してきた。逆らうのも怖いので、おそるおそるその手に体温計を渡した。どれどれと文字盤を確認した先輩が、「げ」と顔をしかめる。


「けっこう高いな。硝子はインフルじゃないだろうって言ってたけど」
「…すみません」
「何で謝るんだよ」
「先輩、怒ってるんですよね…昨日言われたこと、無視して…任務行ったりしたから…」


ぐ、と布団を握りしめて、俯きながら謝罪の言葉を口にする。


五条先輩は少しの間黙って、やがて長くて重いため息をついた。やっぱり、怒ってるんだ。そう思い、私はびくりと肩を揺らしてしまう。ごめんなさい、とまたこぼす私に、五条先輩は言った。



「別に、怒ってない。だから泣くな、バカ」

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つく(プロフ) - のみさん» のみ先生ありがとうございます…!のみ先生からの励まし、とても力になりました。今後ともよろしくお願いいたします…! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - へかーてぃあ@夢見月*小夜セコム隊さん» オワァ!最初から読んでいただいてありがとうございます…!続編についてもいつか公開すると思いますので、また楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 晩鶴紫呉さん» ありがとうございます〜!続編についてもぽちぽち書き進めている最中ですので、いずれ公開します! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - はにゃさん» ありがとうございます!続編もいずれ公開されると思いますので、その際はよろしくお願いします〜! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 五音さん» コメントありがとうございます!続編については制作中ですので、ある程度アップできる状態になったら公開しようと思います〜! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つく | 作成日時:2021年1月16日 1時

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