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40話 ページ42

「はぁ」

ごめん。

らしくもなく五条さんが頭を下げている。

謝っている理由はわかる。
自分の代わりにロシアに行かせてごめん。

……いや別にぜんぜんいいけど。
ロシア楽しかったしそこそこ。
さみぃけど。

「全然いいですよ」

気にもしてないと笑えば、
微かに落ち着く青い瞳。

らしくないな。
何をそんなにビビってるんだろう。
私が五条さんに対して
ビビることは日常茶飯事だけど、
反対なのは初めてな気がする。

なにか、重大なことを告げるのか。

私はそう結論づけて生唾を飲んだ。

一体、何を。

「勝手なことすんな」

「はぁ?!」

予想は大きく外れ。
グリグリと後頭部をつかまれ、
いたいいたい!!!と叫ぶ。

これは、怒ってる。

さっきまでのしおらしい態度はどこへやら。
完全いつもの傍若無人の態度。
期待……っていうか、構えて損した。

「そんなことされても嬉しくない
てか、普通に拒否られても僕何とかするし」

「……っ、っ〜!!
人の好意くらい素直に受け取れ!!!!」

「だから、
して欲しいなんて言ってないってば」

「して欲しいとかじゃなくて!
……、もういいです、
私がしたいようにした!
私が、
五条さんの力になろうと思ってしただけ!
なんでそんなに苛立ってるんですか!!」

相変わらず訳わかんねぇよあんた!!!

そう叫べば、
五条さんは目をぱちくりと瞬いた。

「……死ぬかもしれないじゃん」

「死にませんし。
……つーか、私が死ぬとしたら
それは五条さんがいってても死ぬってことです。」

「それは生意気。
……死んじゃうかもしれなかったんだよ」

伏せられる瞳。
何考えてる?
死ぬとか、
そんなのいつもの事。

「まぁ当然ですよね、呪術師だし」

さっぱり言っている意味がわからない。

まぁこの人がおかしいのは
今に始まったことじゃないなと私は結論づけて、
ひょいと布団を跳ね除ける。

そういえば任務が入ってた。

「ねぇ催馬楽。」

「はい?」

「僕のことどう思ってる?」

「傍若無人な本家の嫡男坊。
……真面目に答えるなら……そうだな、
光?みたいな。」

いつものように茶化す色合いは見えなくて、
私はそう答えてやった。

……今更渋っても、
どうせ全部聞かれてる。不本意ながら。

「………………僕にとってもそうかな」

「っ?!」

ちゅ、と
重大なことにしては軽い音を立てて、
私の唇に何かが触れた。

「顔赤。
ねぇ催馬楽。
僕と付き合って」

「え、嫌です。」

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ワイヤー女 - 新さん» ありがとうございます!!とても励みになります!これからも是非ともよろしくお願い致します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: cedc192f36 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ好きです!!全てが好きです!!更新頑張れぇぇぇぇぇ!!!!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: e596ede8e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年5月23日 18時

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