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10話 ページ12

「はぁ」

寝汗でビッショビショの身体。

「やな夢!」

もう今となっては消し去ってしまいたい過去に、
私は思わずかぶりを振る。

寝る前にあの頃のことを考えたからだろうか。

あの日から私は、できる側に回った。

簡単な話。
不作すぎる近臣(仮)にしびれを切らした五条家が、
無理やり呪霊とバトらせただけ。
そう、それだけ。
私以外の子供は全員死んだ。

……それすら意に介さないほど、
五条悟は強かったわけだけど。

私が見た巻物は、
血溜まりの中で白紙になっていた。

たまたま助かったと思われていた私は、
当然のようにこっぴどく叱られた。
「お前のせいで1つ無駄にした。」と。
それくらい価値のない人間だった。

ピロピロ

スマホが鳴る。

「……げぇ」

1年生3人を連れて呪霊退治。

伊地知さんから送られてきた文章を見て、
私は眉をしかめる。

私たちは死ぬのが当然の場所にたっている。
明日はいないかもしれない。
いくら五条さんでさえ、しくじれば死ぬ。
まぁあの人は
しくじらないから天才なんだろうけど。

私も死ぬ。

当然、あの子たちも。

「やだやだ」

自分が学生の時、
両手じゃ収まらない程の死を見たから、
あの頃のように希望的観測は持てない。

自分の判断で、
未来ある子供が死ぬかもしれない。
まだ何も決まってない、
そんな眩しいあの子たちが。

「あーあーあーあー
変な夢見たからネガティブだわ」

ばさ、と私は布団を跳ね除け、
ぐっちょぐちょの身体を流すべく
風呂場へ向かったのだった。


______________________________________


「先生ってもしかしてさぁ」

「何?」

「五条先生の彼女じゃない?」

「んぐ」

思っていたのを大きく外れるその質問に、
私は飲み下していたコーヒーを吹き出しそうになる。

「………………その設定まだ生きてたの?」

「…………やっぱり違うんだ」

「ずっと否定してたよね?!」

おかしいと思ったぜ、
と頷き合う3人に、
お前ら少し話聞けと言いたくなるのを抑えて。

「まぁたしかに、
彼女だったら敬語じゃないよなぁ」

「そうよねぇ」

虎杖くんに野薔薇ちゃん。

「……どうして
先生は五条先生には敬語なんですか?」

心底真面目そうな顔をして伏黒くんが言うので、
あぁそれは知らないのね、と私は笑う。

「私は五条の分家の分家のーーーー
位の遠縁なのよ。
だから敬語。
一応本家は敬わないと。」

「この前頭叩いてましたよね」

「しっ!」

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ワイヤー女 - 新さん» ありがとうございます!!とても励みになります!これからも是非ともよろしくお願い致します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: cedc192f36 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ好きです!!全てが好きです!!更新頑張れぇぇぇぇぇ!!!!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: e596ede8e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年5月23日 18時

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