本物の怪物【殺戮の天使】 (ページ34)

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episode33 ページ34

俺が目を覚ますと、俺を起こすために肩を揺すっていたエディと顔を覗き込んでいるレイの姿が最初に見えた。

数回瞬きをして、隣を見るとザックはとても不機嫌そうな顔で座っている。

エディ「二人ともうなされたみたいだけど、さっきの毒ガスにそういうの仕掛けられてたのかな……」

ザック「おい、起きたならさっさと行くぞ」

ザックが立ち上がり、俺もその流れに乗るように立ち上がる。

奥の扉を開けると、キャシーの声が響き渡った。

キャシー『あらぁ、どこで道草をしていたの？』

ザック「うるせぇ！！」

キャシー「まぁいいわ。もう一度聞いてあげる。牢獄で一生を過ごすのはどう？』

ザック「だから、入らねぇって言ってんだろーが」

キャシー『あらつれない。私を楽しませてくれる道具にはなってくれないのね？』

ザック「……あぁ？」

キャシー『＿＿道具っていうのはね、あなた達のことを言っているのよ？

だってあなた達見てるとほんと可笑しいんだもの！

レイチェルとザックは随分おかしな約束しているのね？

お互いの身勝手だけを押しつけた約束。利害は一致しているように見えるけど、お互いが道具なんじゃなぁい？

あぁ、これに関しては他二人がしている約束もそうね

＿＿でも、本当の道具はどっちなのかしら？』

ルシ「……何が言いたい」

キャシー『あらやだ、わからない？』

そのとき、ザックが顔を歪める。

キャシー『でもいいわ。バカな子も可愛いわね

では引き続き、刑罰をお楽しみくださぁい♪』

キャシーがそう言い終わらない内にザックが壁を蹴った。

レイ「ザック…？」

エディ「レイチェル、こういうときは落ち着くまで喋りかけないでおくのが一番だよ」

レイ「……わかった」

エディ「ただでさえ、二人が過敏に反応してるんだから……」

俺はエディが最後に言った言葉は聞こえず、薄暗い廊下を歩いて行くのだった。