◇*.19 ページ19
.
｢…、//｣
和｢うわ、にがっ｣
眉をひそめて顔をしかめると
｢アイツまた豆の量間違ったな｣って
少し怒ったように言った。
和｢わるい、淹れる方はまだ全然だったわ｣
｢…｣
和｢…中瀬？｣
｢…、ぁ、うん…｣
身を乗り出した二宮くんの顔が
身構える隙も与えてくれないくらい急に近くなったから。
覆われたままの手に
どうしても、意識が集中してしまうから。
その真っ直ぐな目を同じように見つめ返すことなんて
到底出来なかった。
.
和｢…水いる？｣
｢え？…あっうん、貰おうかな…｣
何事も無かったように離れた手にほっとして
…ほっと…して、
でも少し･･･
｢…｣
.
和｢はい、水…ごめんな中瀬｣
｢…｣
和｢…大丈夫？｣
｢…｣
少し…
何･･･？
.
.
｢…大丈夫、ありがとう｣
和｢…｣
.
.
遠い遠いあの日、感じたことのあるその感情を
これ以上思い出さないように深く深く…
胸の奥底にしまい込んだ。
大丈夫。
まだ、気付かなかったことに出来る。
.
.
.
｢…そう言えばこのお店、二宮くん一人でやってるの？｣
和｢…あぁ、いや、マスターがいる｣
｢…マスター？｣
ここに入ってきた時から店内には二宮くん以外誰もいなくて、厨房にも洸太しかいないみたいだし…
今日はお休みなのかななんて、呑気に辺りを見渡していると
思いがけない言葉が降ってきた。
和｢今日ここ定休日(笑)｣
｢…え？｣
和｢って言っても俺は毎日居るからあんまり関係ないんだけど｣
｢ぁ、でもお店の扉開いてたよね？｣
和｢あー、…まぁ…｣
｢アイツが来るからな｣って
厨房の方を気にしながら小声で囁いた二宮くん。
｢え、まさか洸太のために？｣
和｢いやいや大袈裟、どうせ俺ここで色々やってるから｣
｢…本当に？洸太迷惑かけてない？｣
和｢ふ、全然…それにアイツも最近塾が忙しくなってきたって言って前ほど来れなくなってるし｣
｢…｣
和｢ちゃんと勉強もするっていう約束で教えてやってるから、安心してよお姉ちゃん(笑)｣
姉として、なんて大きなことは言えないけど
洸太のことをめちゃくちゃ真剣に考えてくれてる人が近くに居ることに
心から、安心している自分がいた。
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和(プロフ) - (名前りんさん» りんｻﾝ、コメントありがとうございます！(*´ω`*)うわぁ、前作から…嬉しいです。有難いです。(´；ω；`)こちらも、前作に負けないくらい切なくするつもりなので(笑)、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです！更新頑張ります(^^) (2020年4月24日 19時) (
レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ひろこさん» ひろこさん、コメントありがとうございます(^^)わーい、めちゃくちゃ嬉しいです！甘酸っぱい青春…私も大好物です(笑)そんな青春を思い出して貰えるようなお話にしたいと思うので、また是非よろしくお願いします(*´ω`*人) (2020年4月24日 19時) (レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
(名前りん(プロフ) - 新作も前作に引き続き大好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: c02e8af171 (このIDを非表示/違反報告)
ひろこ(プロフ) - この甘酸っぱい感じ。大好物です！和さんの作品、大好き！ (2020年3月28日 8時) (レス) id: 7819f221c3 (このIDを非表示/違反報告)
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