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沙苗｢A今日なんかおかしくない？｣
｢えっ？｣
昼休憩
いつものように同期の沙苗と休憩室でお昼を食べていたら
スマホを見てたはずの沙苗が急にそう言った。
｢うそ、私なんかやらかした？｣
医療の現場ではプライベートでどんなことがあったって少しの動揺も許されないから
なるべく自分のことはシャットアウトして仕事に打ち込んでるつもりなんだけど…
沙苗のその言葉に内心ヒヤっとしたのは多分
思い当たる節がないわけじゃないからで。
沙苗｢いや、仕事は別にいつも通りだけど…それ｣
｢え｣
沙苗｢お弁当、作ってきてないの珍しくない？｣
｢あぁ…｣
沙苗｢髪の毛もなんか、いつももっと引くくらいピシッとしてるよね｣
｢引くくらいって…(笑)｣
確かにそう言われてみれば
いつもはお団子から髪の毛1本でも出てたら嫌で、毎朝アホ毛と戦ってる。
お弁当も作れる時は大体作ってきてるから
今頬張ってるサンドウィッチに、沙苗が違和感を覚えるのもおかしくないか。
｢今日はちょっと寝坊しちゃって｣
沙苗｢…ふーん？｣
｢…ほんとに、電車の時間もあるしバタバタだったの｣
スマホから視線を上げて私を一瞥すると
意味ありげに眉を上げてまた視線を戻すから
何故かソワソワしだしてる胸の内を探られているようで落ち着かなかった。
沙苗｢…寝坊って時点でもうおかしいんだけどね〜｣
｢…｣
立ち上がって伸びをしながら仕事に戻る準備をする沙苗の言葉を
無理があるって分かってたけど
聞こえてないふりをした。
.
.
｢お疲れ様でした｣
｢おつかれー｣
17時半
仕事を終えて病院を出ると冬のこの時間はもう暗くて
想像以上の寒さにぶるっと身体の芯が震えた。
｢…はぁ｣
白い息が2月の夜空に舞う。
マフラーの下に口元を埋めて
いつもと変わらない、道を歩いた。
いつもと変わらない帰り道。
いつもと変わらないはずの日常が
少しだけ違う色に見えること
冷たい風を遮るように目を瞑れば
気付かないでいられる気がした。
馬鹿みたいだけど今の私には
『中瀬』
って
あなたの声を思い出して中々眠りに付けなかった昨日の自分を
受け入れる資格なんてないの。
連絡先も知らない、職場も知らない。
大丈夫。
きっともう、彼に会うことはない。
って
ただひたすら
自分に言い聞かせてた。
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和(プロフ) - (名前りんさん» りんｻﾝ、コメントありがとうございます！(*´ω`*)うわぁ、前作から…嬉しいです。有難いです。(´；ω；`)こちらも、前作に負けないくらい切なくするつもりなので(笑)、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです！更新頑張ります(^^) (2020年4月24日 19時) (
レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ひろこさん» ひろこさん、コメントありがとうございます(^^)わーい、めちゃくちゃ嬉しいです！甘酸っぱい青春…私も大好物です(笑)そんな青春を思い出して貰えるようなお話にしたいと思うので、また是非よろしくお願いします(*´ω`*人) (2020年4月24日 19時) (レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
(名前りん(プロフ) - 新作も前作に引き続き大好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: c02e8af171 (このIDを非表示/違反報告)
ひろこ(プロフ) - この甘酸っぱい感じ。大好物です！和さんの作品、大好き！ (2020年3月28日 8時) (レス) id: 7819f221c3 (このIDを非表示/違反報告)
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