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やっぱり伝わらなくて少しシュンとなった私に気付いてなのか、
和｢ま、アンタらしいっちゃらしいか｣
ダウンのポケットに両手を入れて上を見上げた二宮くんは
夜空に吐くように、そう言った。
同時に白い息が舞う。
｢…私らしいかな｣
独り言のつもりだった。
自分にしか聞こえないような、そんな小さい声で呟いたつもりだったのに…
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和｢…うん、昔から中瀬の考えることってあんまり理解出来なくて｣
｢…ぇ｣
和｢…それがすげぇ面白かった｣
｢…｣
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緩く上がった口元と
普段のクールな表情からは想像もつかない優しい目。
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『アンタ、面白いな(笑)』
あの日とおんなじだ。
花壇を見に戻ってきてくれたあの夏の日、私は初めて男の子と…二宮くんと2人で帰った。
緊張しすぎて何を話したかまでは覚えてないけど
半歩後ろを歩く私を振り返って、見たことない笑顔でそう言ったの。
あの時のあの光景だけは
なぜかずっと胸に残って離れなかった。
オレンジ色の光の中でキラキラ輝いてた二宮くんを思い出すと
今でも私は
苦しくて、切なくて、泣きたくなるんだ。
だからね。
｢…それって私がズレてるって意味だよね｣
和｢え？(笑)｣
｢地味にディスってる…｣
なんでもないふりして、誤魔化すの。
和｢めちゃめちゃ褒め言葉だわ(笑)｣
｢いいもん、変わり者で｣
和｢もう拗ねちゃってんじゃん(笑)｣
｢拗ねるよそりゃ｣
そうでもしないと、また二宮くんの空気に飲まれてしまいそうで。
和｢あれ、中瀬ってこんな感じだったっけ(笑)｣
｢…どういう意味？｣
和｢前はもっと話す時おどおどしてた気がする｣
｢…それは、もう大人だし…仕事だってしてるしさ、いつまでも人見知りとか言ってられないから｣
和｢…ふーん、いいじゃん(笑)｣
｢…｣
無理にでも｢今｣を演じてないと、子どもだった私が
すぐにでも顔を出してしまいそうになるから。
だから。
和｢あと、ちゃんと目見れるようになった(笑)｣
｢…、｣
お願いだから、その目に真っ直ぐ
私を映さないで。
和｢すげぇ成長遂げたな、中瀬(笑)｣
あの頃と同じ声で
名前を呼ばないで。
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硬く閉じたはずの扉が開き始めた音が
胸の奥底から
聞こえたような気がした。
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和(プロフ) - (名前りんさん» りんｻﾝ、コメントありがとうございます！(*´ω`*)うわぁ、前作から…嬉しいです。有難いです。(´；ω；`)こちらも、前作に負けないくらい切なくするつもりなので(笑)、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです！更新頑張ります(^^) (2020年4月24日 19時) (
レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ひろこさん» ひろこさん、コメントありがとうございます(^^)わーい、めちゃくちゃ嬉しいです！甘酸っぱい青春…私も大好物です(笑)そんな青春を思い出して貰えるようなお話にしたいと思うので、また是非よろしくお願いします(*´ω`*人) (2020年4月24日 19時) (レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
(名前りん(プロフ) - 新作も前作に引き続き大好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: c02e8af171 (このIDを非表示/違反報告)
ひろこ(プロフ) - この甘酸っぱい感じ。大好物です！和さんの作品、大好き！ (2020年3月28日 8時) (レス) id: 7819f221c3 (このIDを非表示/違反報告)
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