やすだ短編

恋の醍醐味 ページ8

(倉安です、ノンリアル)








俺の仕事は、表向きは探偵の事務操作。でも裏の顔は凄く危ない仕事。敵にいつ狙われるか分からないし、毎日情報を集め、役割分担をして敵を倒す。

血が出る戦いもある。俺は直接そういう殺人に手をかけないけど、念の為に銃の撃ち方、敵の仕留め方は日々教えて貰っている。



俺には、ぜっっったいに、死んでも守らないといけない人がいるからだ。





それが……





「たっちょん〜おかえり！！
お風呂先入ってもうたわぁ」



この、愛しの愛しの恋人。安田章大。
2年くらい前にバーで出会った彼は男で、
でも本当に純粋で天然で絶対に守りたいと日々思うくらい危なっかしい。敵にもし俺の居場所が知られ同棲してるのがバレたら人質として狙われそうな気しかしない。



だから、必死でお金を貯めてセキュリティバッチリ、事件を起こしたらすぐバレるような結構都会の人通りの多い場所に高い家賃と共に引っ越した。



全てはヤスのため。




毎日、毎日、敵の居場所や届く脅迫文、隣町の被害届などを仲間と研究してる俺にとって、この癒しがなければ生きていけないのだ。




「ヤス〜ただいま。遅くなってごめんなぁ」



ヤスには俺の仕事は探偵の事務員としか言ってないけど、探偵と聞いて目を輝かせたこの子に嘘をついてるのは本当に申し訳なくなる。




「ヤス、髪濡れてるで、おいで。」


素直にくるヤスの髪をヤスが眠くてウトウトしてる間に乾かしてやると、ヤスが目を瞑って寝ていた。



「ヤス、終わったで？」


そういうとハッとヤスは目を覚まして、またゆーっくりと目を閉じてしまう。可愛い。可愛い。可愛い……




そっとヤスの膝の下と背中を抱え、お姫様抱っこ。
寝室へ連れていき、そっと寝かしてやる。
風邪ひかないように、布団をかけて。



「ありがとう〜たっちょん…」


そう言ってやっぱりもう眠ってしまいそうな
ヤスのおでこに優しくキスをするとヤスは嬉しそうに目を瞑ったまま、口角を上げた。可愛い。




時々、この危ない仕事を辞めようかなと考えることがある。でも、大学の頃からこの手の仕事に関わっている俺に今更他の仕事は出来ないし、大事な仲間もいる。企業とかの秘密をしっている以上、後に引けない。





でもヤスと同じ職場とか働いてみたいなぁ〜
スーツの会社員姿、可愛いだろうな〜
他の男に狙われてないか、心配。


そんなことを考えて、俺もヤスと一緒に眠りについた。

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