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ごめん、今から世界一ずるいこと言うわ。
そう前置きして、彼は自分のカバンを手に取った。
帰る前に、ということらしい。
「急にフった俺の事、まだ怒ってるやろ?
………やったら一生許さんで。恨んで俺の事一生頭から離れさせんといて。楽しかったなぁあの時、幸せやったなぁって、プロポーズする時も結婚式の時も……死ぬ時も、思っとってよ」
なんて、ずるい。惨い。最低。自分勝手。
「………渋やん、それ、なんて言うかわかる?」
眉をキュッと寄せる。いつの間にか癖になってもうた
その仕草が可愛いって言ってくれたあの時から。
「依存、……って言うんやで」
無表情で近づく俺を黙ってみる渋やん。
歳とったなぁ。……何歳でも、好きやで。
「……違うか、共依存、やね。」
渋やんの、カバンを奪う。
彼の頭を掴んで噛み付くようにキスをした。
渋やん、俺に一生許すなって言ったよね。
もちろん、一生許さへんよ。
俺の人生をめちゃくちゃにしたの、あんたやで。
でもな。それなら俺が今から無理やり襲おうとするのも一生許さんで。もう、渋やんが好きな可愛い安田章大じゃないし、渋やんが抵抗しても何がなんでも。
開かない唇をこじ開けて力任せに。
押し倒して嗅いだ首の香り。
………あぁ渋やんや、懐かしい。
泣きそうになって。
渋やんが笑った。俺の好きな顔で。
会見の時も他のメンバーといる時にも絶対見せないホントの顔。
「…お前、上出来へんやろ。」
「分からんやん、そんなん。」
「いつも下で鳴いとった奴がよう上やるとか」
「何年前の話やねん!」
渋やんがそっと起き上がって俺を押し倒す。
「……うん。この眺め。」
「………変態」
その言葉に笑った彼が真剣な顔で言った。
「余計に辛くなるかもよ。今なら戻れるよ
………しょーた、どーする?」
そんなの、決まってるやん。
彼の首に手を回す。
「………これで最後やで」
呟いた彼の声は多分泣いていた。
甘い夜の始まり。
でも多分最後の夜の始まり。
終
やすば定期ほんとに今やすば不足です〜!!
またいつか続き書きますね。
全部答えられないですが、リクエストもお待ちしております
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雨悠(プロフ) - 越。の続きも読みたいです!やすばも胸が苦しくなりました、とても素敵でした!次も楽しみにしています! (2020年8月22日 6時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
雨悠(プロフ) - 恋の醍醐味続き読みたいです!!! (2020年8月22日 5時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
jp8727(プロフ) - クエン酸さん» ありがとうございます。私もやすばが大好きなのでそう言っていただいて嬉しいです。 (2020年7月4日 23時) (レス) id: 8f8546bc9c (このIDを非表示/違反報告)
クエン酸(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。あの頃のやすばが懐かしく儚く今でも鮮明に覚えています。今はもう見れないであろうやすばに涙が込み上げてきます。ありがとうございます。 (2020年7月4日 14時) (レス) id: 81f31e46e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 素敵なやすばをありがとうございました。優しく、懐かしい世界。目の前に情景が浮かぶようでした。 (2020年6月6日 12時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーる | 作成日時:2020年6月2日 21時