やすだ短編

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大倉に会見終わったら家行こうか、と気遣ってくれるLINEが来てたけど誰かと話したらもう自分が壊れそうで。


これから6人でやってけるのか、とか歌はどうする、とか。ファンが減る不安も勿論。



もう彼に一生会えなかったら、どうしよう。
付き合えなくても、結婚出来なくても構わないと思ってた。思うようにしてた。別れたあの日からそんなのとっくに諦めてたから。
でも、もう会えないのはやっぱり辛くて。
……………どんだけ好きなんだよ




電話がなった。渋やんから。
会見の後、みんなはどんな風に彼と接したのかな。
丸みたいに優しさで何にもないように振る舞える人になりたいけど。俺は多分無理で。
わざと取らなかったけど何回もかけてきたから、
諦めて電話を取った。

「……もしもし」
「もしもし。今から家行く。開けて」


は、と声を出した時にはもう切られてて、インターホンがなった。多分俺が無理とかいうの分かってて強行手段に出たんだろう。

仕方なくオートロックを開けてやり彼を部屋へ入れた。コーヒを入れる。このコーヒーメーカーは彼がくれたもの。





「………会見、見たよ」
なかなか話し出さないので俺から切り出した。
「ヤス、俺の我儘で本当ごめん。本当にごめん。
メンバーに1番迷惑かけてるのは分かってる。でも」
聞きたいことは、全部聞いた。
その上でもう俺は彼を引き止めるのは無理だと悟ってもう、応援しようって腹括ったから。
「…うん、もうわかった。俺は応援するから」

2人でライブしよう、なんて。叶わなかった約束。

「…ありがとう」

涙が残った赤い目を見つめて。

「でも、たまには飯とか行ってぇや。てか渋やん、連絡すぐ無視するし。」
そう言うと少し驚いたような顔。
「え、……また会うてくれるん、」


何言ってるの。1番会いたいのは俺やのに。





俺、思い出したよ。
眉をキュッと寄せるヤスの顔俺好きやわ、なんて前に貴方に言われたから。


俺は渋やんが辞めるって聞いた時眉寄せたんだよ。
あんな時でも可愛いなんて思われたかったんだよ。
未練タラタラでアホみたいなクズだよ。



「…うっ…うぅっ」
ずるいわ。こんだけ好きにさせて。
涙が出らないわけなくて。

俺は泣きじゃくった。最初は戸惑ってごめんとか何とか言っていた彼は気づいたら隣にいて。
抱きしめてトントンと背中を摩ってくれた。

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