やすだ短編

クチベタ ページ37

(ヤンマーカップル)








「やっぱり章ちゃん、短髪の方がええで。前の、似合ってなかったもん」
「前よりは料理美味なったなぁ」
「痩せすぎやって、見苦しい」





あかん、分かってるのに。
久々に章ちゃんに会えたのに。お互い仕事が忙しかった上にコロナで外出られんくて。俺は俺の仕事で、章ちゃんは関ジャニの仕事が沢山あって。
電話できても数十分。LINEもお互いなかなか返せなくて。本当は今日会えるのめちゃくちゃ楽しみにしてたんやで。2週間前から、この日のために仕事しようって思えるほど。


でも、やっぱり俺は口下手で。不器用で。
会えたの嬉しくて仕方ないのにやっぱり憎まれ口しか出てこんで。言った後に後悔するし、章ちゃんも気にしてなさそうだけど実は嫌だったり、とかまたネガティブな事思ってしまう。




夜に章ちゃんの家行って、風呂に入らせてもらって、料理食べさせてもらって。
少ししか話してないのに俺の言う言葉は愛情がなさそうに聞こえる言葉ばっかりで。自分が嫌や。




「………亮？？」

黙りこくった俺の隣に座って顔を覗き込んでくる。
ああ。可愛い。この顔いっつも大倉に見せてるやろな



「…何やねん」
そんな言葉しか出てこない俺は多分自慢出来る彼氏ちゃうんやろな。
「ふふ、やって亮あんま喋らんから、今日」
少し笑って章ちゃんが俺の肩に頭をのせる。
シャンプーの匂いと章ちゃんの匂い。
混ざって、世界で1番好きな匂いで。


「俺、亮の事ちゃんと分かっとるつもりやで」
頭を撫でる俺の手に気持ちよさそうに目を細めて
章ちゃんは言う。
「やから、安心して。………………大好き」


やっぱり、こいつにはかなわんなぁ。
なんでも直ぐにバレるし1つの愛情を100個の愛情にかえれるような、そんな綺麗なやつなんや。

俺もちょっとくらいは勇気出さなあかんな。
「俺も、やで。………いつもありがとう、な。」
ぎこちない俺の言葉だけどちゃんと伝わりますように








章大side

多分、今日も気にしとるなぁ。
口下手なのも愛情表現が下手なのも全部分かっとるよ
そのうえで俺は亮が大好きなんやから。

横ちょに「どっくん、昨日すんごい酔っててずっと章ちゃんに会いたい会いたい言いよったで」とか、大倉に「昨日亮ちゃんに安へのボディータッチ多すぎって怒られたで」なんて聞くのしょっちゅうやし。
これは彼女の、特権。






終
ヤンマーちゃんも尊い！！！

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