やすだ短編

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俺が通ってる高校は男子校だから、男子ばっかで馬鹿みたいに毎日はしゃいですごく楽しいんだけど。
自覚はないけども、俺は男子からそっちの目で見られることがあるらしい。

それは中学生の頃から大親友の大倉がよく言ってくれた。
「章大は可愛いから、変な男に着いて行ったらアカンで！！狙われとるねんで！」
いつも心配して守ってくれた大倉は、
高二の時お兄ちゃんが出来た！！と報告した時に
開口1番「気をつけや！！！」と叫んだなんとも過保護な親友だ。





毎日ほぼ一緒に帰っている大倉が今日は委員会で
一緒に帰れなかったから1人で帰っていると。
学校から帰って電車に乗っているときに薄々違和感を感じた。


つけられてる……？？

俺が足を止めるとパタ、と止まるけど
動き出すと着いてくる。
怖い…！！大倉が言ってたのってこーゆー事なのか、と初めて思った。でも今は大倉は学校で、電車降りた俺とは遠すぎて連絡してもどうしようもないし。
でも駅から家まで細くて暗い道を通るのはどうしても怖くて。

すばるくん、バイトかな。
一旦コンビニに入ってすばるくんに電話してみる。
多分つけてる人は入ってこないだろう。

すばるくんは、すぐ出てくれた。

「もしもし、しょーたどうした？？」
「ごめんな、今バイト？？」
「今から帰るとこ。なんかあった〜？」

優しい声にほっとした。

「…本当ごめん、今駅の近くのコンビニにおるねんけど、迎えに来てくれへん？なんか、変な人がさっきからついてきてる気がして、怖いねん……」
そう言うと、すばるくんは声色変えて
すぐ行く、と言ってくれた。
電話繋いだまま、ガサガサしてるから多分今飛び出して車乗ってるんだろう。


「……ありがとう」
そう言うとまだいつもより怖い声のまま、
「俺が来るまで、コンビニにおってな」
と言って電話を切った。


しばらくしてすばるくんからもう少しで着くとLINEが来たから、コンビニを出て車を待つ。


すると。

「東高の渋谷章大くんだよね？」
知らない学ラン。2人の男子。多、隣の高校の。
2人とも大きな図体に少しびびった。
もしかして、着いてきてたのこの人かも。



「…そうですけど、何か」
つとめて冷静に言ったけど獲物を狙うような彼らの目線がものすごく怖くて実際手は震えてたと思う。

1人の男子が、あー可愛い、と呟いた。
結構俺、知らん所で章大の事守ってるんやで、と言った大倉の声が蘇って、ああもしかしてこういうことか、と今更理解した自分を憎んだ。

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