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-Zoro SIDE-
「おい、腕出せ」
Aはいつも時間があればアクアリウムバーにいる。
だから俺もコイツを探すときはまずそこを見るようにしていた。
「大丈夫ですよ」
「うるせぇ、黙ってろ」
Aの隣に腰を下ろし勝手に腕を取る。
コイツの悪い部分。
何かがあっても全部『大丈夫』で片づけやがる。
「ゾロさん、手慣れてないね」
「うるっせぇわ！」
俺は普段から人の手当なんてすることが無いからかなり不格好になっている自覚はある。
でも何もしないよりはましなのは火を見るより明らかだろ。
「傷口からわりぃもん入ったらどうすんだ」
「そんな大げさな」
出来上がったのはまぁ不格好に包帯がまかれている腕。
まぁ悪くはねぇな。
「悪くは無いって顔してるけどかなりアレですよ？」
「素直に感謝することは出来ねぇのかお前は！」
「んー、感謝はしてるよ。でもそんな昼寝を切り上げてまですることじゃないでしょう」
コイツは自分の事には驚くほど無頓着だ。
なら誰かが気にかけてやったほうが良いだろ。
何故かそれを俺がやってるけどな。
「それになんかこれじゃあ私に自傷癖あるように見える…」
「実際似たようなもんだろ」
「は！？私死にたくもないし怪我すんのも嫌だし」
危なっかしい所とか、まさにそうじゃねぇか。
なんて思うけどきっとうるさく騒ぐだろうから口には出さないようにした。
「ゾロさん過保護」
「てめぇが変な口癖してるからだろ」
「え、ゾロさんに言われたくない」
「いい加減てめぇは黙れ！」
だけどコイツの隣にいるのは悪くねぇ。
いつかこいつから『大丈夫』じゃない頼る言葉が聞けたらいいけどな。
２年前から何一つ変わらない。
「ゾロさん、手当してくれてありがとう」
「…おう」
そこで会話は途切れるけど居心地はむしろ良い。
それにアクアリウムを眺めるこいつを見るのが嫌いじゃないってのもある。
「ゾロさん」
「あ…？」
いつの間にか寝ていたらしい。
頼るまだ日は高いからそんなに時間は経ってねぇか。
「サンジさんのおやつ食べに行こう」
「…おう」
にしし、といたずらをする前みたいな笑顔を見せるA。
『大丈夫』といって全てを隠す笑顔はすげぇ嫌いだけど、この笑顔は悪くねぇな。
上がる口角に気づかないふりをして先を行くAの後を追いかけた。
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三枝(プロフ) - ｢かわサンジ｣から来ました！｢かわサンジ｣も｢大丈夫｣も面白くて、2作品を一気見してしまいました！更新楽しみにしています！！ (2021年3月27日 17時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 名無し99169号さん» ありがとうございます…！自分のペースの更新になってしまいますがどうぞよろしくお願いします (2020年1月23日 17時) (レス) id: e9f9a3443e (このIDを非表示/違反報告)
名無し99169号(プロフ) - 作品最高なので更新楽しみしてます！頑張ってください！ (2020年1月23日 0時) (レス) id: bde8d8e885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望 | 作成日時：2020年1月15日 15時
