偽物の笑顔が知っている

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零？「え、私？」

彩「それは、どっちに言ってるの？」

彩が私に問いかける

零？「どういうこと？」

零「そのままの意味よ。あなたが自分だと言ったのは桜零である私か」

彩「立花彩である私、どっち？」

2人の「私」が[私]に問いかける

私[わかんない…わかんないよ…]

彩「どうして？簡単な事だよ？」

零「あなたが必要としている[私]を選べばいいのよ」

[私]が必要としてる「私」…

私[選べないよ…だって2人とも必要だよ…]

彩「でも、どっちか決めないと」

零「笑えないままだよ？」

私ははっとした

確かに笑えないのは困るけど私は2人のうちどっちかなんて選べない

だって片方を選んだら私は何かが欠けたままになってしまう

彩の持っている人間らしい心か

零の持っている人並外れた知識か

どちらを選んでも私は必ず不幸になってしまう…

それだけは嫌だ

またあんな悲しい思いしたくない

私[私には2人とも必要だよ]

零「2人？」

彩「それは違うよ」

え？

彩 零「「あなたが選ぶのは」」

右側に立っていた彩が右手で零を指す

彩「桜零と」

左側に立っていた零が左手で彩を指す

零「立花彩と」

彩が左手で零が右手で私を指す

彩 零「私達どちらでもない[あなた]」

「 「あなたが選ぶのは2人ではなく3人」」 「 「さぁ、選んで。あなたが必要とする私を」」



「ハッ！」

ゆ、め…？

額にびっしりと浮かんだ汗

少し暗くなった私の部屋

寝てたんだ…

「私が必要とする私…」

夢のわりにハッキリと覚えている

彩と零に問われた質問

3人のうち誰を選ぶのか

今の私じゃ何が正しくて、何が間違っているか分からない…

一体どうするばいいの…

私は思わず手に力を入れる

そうするとグシャっと何かを握り潰した

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