偽物の笑顔が知っている

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KZ視点


先「今日の欠席者は桜だけだな」


その言葉が沈んでいる心に入ってくる

あんな事があったんだ休むのも当たり前だ

頭ではわかっているのに、心がその事実を認めようとしていない

昨日のあの様子は明らかに１つの感情しかなかった


「恐怖」


それだけが彼女を支配していた

そうさせたのは誰でもない俺達だ


俺達はあの後アーヤの親を呼んで解散した

整理がつかない頭はただ次の日になったら謝ろうと言うことしかなかった

だか謝るどころが会えないと言う事すら自分達の頭はわかっていなかっのだ

ただ謝ると言う事しか考えていない上にそれ以上は何も考えていないのだ


馬鹿げた話だと思った


ただ謝って、それで許してもらえると言う変な自信が自分達にはどこかにあったのだ

それで全て元通りなると思っている自分達がいた


だって「仲間」だから



だが、それは絶対にありえないのだ


自分達から仲間ではないと言った

彼女が苦しんでいた事すら気づかなかった上に

その原因が自分達だとはまったく思わず、証拠があると言うだけで裏切った

そして証拠が嘘だとわかった途端に謝って仲間になってと言う


本当に自分勝手だ

謝って済まない事をしたと言うのに…



先「じゃあ各自ちゃんと対策をしとくように」



そうやって彼女がいなくても時間は関係なく過ぎていく

彼女がいないからかまったく集中できない上に酷く寂しく感じる

でもただ主席簿には「欠席者が1人」と言う事しか書かれない

だいたいが初対面からのスタートのせいなのか皆特に気にしない

自分とは関係がないのなら気にならない

だが、俺達には関係があった

「仲間」であると同時に

自分達にとっての「愛おしい人」でもあったのだ

その気持ちすら忘れて「関係のない人間」に分類した

そして自分には関係のある人間だとわかれば「関係のある人間」に分類する

人間はそれを繰り返していくが、絶対に前者の方に分類してはいけない人を分類してしまったのだ


最低だ


その思考が自分を埋め尽くして頭の中でこだまする様に繰り返される

その言葉を誰に言うでもなく


ただ自分の中で繰り返される3文字を感じる事しかできなかった

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