joKer 2

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「KING？何それ？」
「愛を殺したやつだよ」
「俺らの敵…？」
「そうだよ、俺らが殺したくて仕方のなかった仇が、Aのボスなんだよ」

二階堂の瞳が揺れた。千賀も横尾も私を見る。


『…だから何……あんな奴、』
「あんな奴？まだシラを切るつもり？Aは俺らを騙すために近づいたんでしょ？」
『…横尾、』
「…A、ずっと俺らのこと騙してたの？」
『…違うって、千賀』
「…ははっ、そうだよな。Aなら俺らの敵のKING？とやらに、家が空いてるとき教えられるもんな。Aは頭も良いし、家の配線も切れたりするわけね」

納得だわって二階堂は言った。




違うよ、違う。私じゃないよ。気づいてよ、違うって。






もう届かない。





「それで他の俺らも始末するために、セキュリティー直されたら困るからって宮田を昨夜襲ったの？」
『………』
「じゃああの屋敷で北山が殴られることも分かってたし、警備が呼ばれるのも分かってた？なんなら北山置いていくのも作戦の内？」
「ニカ、言い過ぎ」
「は？玉森、Aの味方するの？全部演技だよ？騙されるなよ」
「……別に味方してない」



「で？何が目的？愛を殺した次は俺ら？」
『……』
「そもそも何で俺らは狙われてるわけ？」
「そうだよ、理由言えよ」








もうダメだ。







『知らないわよ、そんなこと』
「は…？」
『殺せっていう命令に従ってるだけよ』




私の言葉に皆はもっと傷ついた顔をする。



もうお別れだよ。

北山なら信じてくれるかな。宮田が起きたら庇ってくれるかな。そんな淡い期待すら抱く時間がない。


信じてなんて言えない。…それにきっともう時間がない。

内通者が居る時点で、皆の命が危ないことはもう絶対。KINGは快楽殺人者だから、彼らを殺すことなんて簡単なはずなのに遊んで生かす。北山が囮に取られたのだって内通者がいるのだって、遊んで殺したいだけ。





だったら。



私が、戦わなきゃ。皆の為に。





『奴 隷売買に自分で捕まって、情報流して、あんたらが買いに来るの待ってたの。まんまと買ってくれちゃって。玉森、何がここのブレインよ。簡単に侵入させてくれて、ありがとうね』
「…Aちゃ」
『玉森、その名前で呼ばないで。私はQueenよ』



騙せ。身内を騙せ。


玉森は私を見て今にも泣きそうな顔をする。
…そんな顔しちゃって。向いてないよ内通者なんて。



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