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二階堂は箱に近寄り、蓋を開ける。
「え、何これ」
「ニカ、取ってきたよ」
「…ありがとう、そこ置いといて」
「分かった。…って、あれ?タイマー動いてないじゃん」
「そうなんだよ。…どういうことだ」
近寄って箱の中を見れば、5:00と表示されたまま何も動いていなかった。表示板の横には青赤緑黄色の4本の導線がある。
二階堂はとりあえずやってみる、と言ってパソコンのような物と爆弾を繋いだ。プログラミングのような画面が表示されている。
「…何か分かった?」
「とりあえず導線切れば止まるタイプなのは分かったんだけど、動かないとどれを切ればいいのか分からない…」
「でも動く気配…ないよね?」
「そうなんだよ」
頭を抱える二階堂。
「…太輔」
『え?』
「まずい、玉に連絡しないと」
思い出したかのように言う横尾の言葉に2人の顔は強張る。
「こんなところに太輔戻ってきたら、」
「なにこれ……」
遅かった。3人は戻ってきてしまった。
藤ヶ谷は固まったように動かない。その後ろから覗き込むように、宮田と玉森が顔を出す。
「え?ガヤさんどうし…た、」
「…何これ、ニカが暴れたの?何の冗談?」
「なわけねーだろ、玉!俺らが帰ってきたときには、荒らされてたんだよ」
「…荒らし?」
「そうだよ。それに今、ばく「ニカ!」
横尾は大声を出した。
でもそれもまた遅かった。
「…ばく、だん、」
「…え」
「なんで、」
「…っ」
3人とも声が震える。
その中でも藤ヶ谷はやっぱり瞳の揺れが激しい。
「…あい、」
「太輔、落ち着いて」
「…ぅ……っ」
「ガヤ!」
「…はぁ…っ」
藤ヶ谷は取り乱して膝から崩れ落ちた。
横尾が駆け寄って背中を摩る。
「大丈夫だよ、深呼吸して」
「…はぁ……っ、はっ………ぁ」
「…まずい、Aちょっと来て。太輔の薬と袋取ってくるから、Aは支えてて」
『分かった』
「…はぁ、……っはぁ…………んっ」
『藤ヶ谷、落ち着いて…』
言われた通りに背中を摩るけど良くならない。
なかなか横尾が戻ってこないし、個人部屋の方まで荒らされているのかもしれない。藤ヶ谷が悪化していく中、追い討ちをかけるように二階堂が言った。
「…動き出した、爆弾」
ピッピッと音が部屋に鳴り響く。
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yuzu_(プロフ) - 完結間近なんですね!楽しみにしてます! (2022年2月16日 8時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - yuzu_さん» yuzu様、毎度コメントありがとうございます!長い間お待たせしてしまいました。本当に申し訳なかったです( ; ; )完結間近ですが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2022年2月16日 1時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - お忙しい中ありがとうございます。ずっと待ってました泣また楽しみによみます! (2022年2月15日 0時) (レス) @page42 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - ほおうさぎさん» ほおうさぎ様、コメントありがとうございます!お返事遅くなりました。ごめんなさい。ジャニーズでこのようなお話ってあまり見かけないので勇気いりましたが、読んでくださる方が多く安心しています(笑)もう少しお休み頂きますが、これからも宜しくお願いします!♡ (2021年12月16日 17時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
ほおうさぎ - はじめまして!キスマイのこういうお話好きなので楽しみにしています!主様のペースで大丈夫ですからね。ゆっくりお休みください!! (2021年12月12日 23時) (レス) @page42 id: 86f6a5fb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナシ | 作成日時:2021年11月25日 16時