弱いままの自分 ページ13
Aside
朝、目が醒めると身体中がだるくて特に腰が痛かった。
重「あ、起きた？」
枕元に座って私の頭を撫でている大毅が目に入った。
「あ、昨日……」
昨日、みんなが助けに来てくれて、その後、どうなったんだっけ？
重「ふふ、昨日のA可愛かったで？俺の名前呼びながらあんあん鳴いてたもんな〜」
そうだ、昨日副社長に変な薬飲まされたんだった。思い出しただけで顔から火が出そうだ。
という事はもう進むところまで進んでしまったのだろうか？初めてだったのにな………
重「……身体、しんどいやろ？寝ててええからな？」
そんなこと考えていたら、そう言って大毅は部屋を出て行こうとした。
重「ん？」
無意識に大毅の袖を掴む。
けれど、なんだか恥ずかしくなってその手をパッと離した。
「ごめん、なんでもない………」
重「大丈夫やって、お昼ご飯取ってくるだけやから、な？」
私の頭をポンポンとしてから部屋を出て行った。
お昼ご飯という大毅の言葉に引っかかって時計を見ると、もうお昼ご飯の時間すら過ぎていて、どんだけ自分が寝ていたのかに驚かされる。
ふと目に入ったのはハンガーにかけられたビリビリのブラウス。
それを見た瞬間、昨日の恐怖が掘り起こされた。その恐怖は収まることを知らず、手足が震えて脈が早くなる感覚が自分でもわかる。
「はぁっ………はぁ………」
重「A？Aっ………」
部屋に入ってきた大毅はこんな私を見て驚き、荒々しくご飯を置いて私の横に座って背中をさすってくれる。
重「ゆっくり呼吸して……ほら、吸って〜吐いて〜。照史呼んだからそれまで頑張ろうな〜」
大毅の手を握ってただ頷く事しか出来ない私は、また自分の弱さを痛感した。
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作者名：杏樹 | 作成日時：2019年2月15日 17時
