翻弄されたのは（王賁） ページ4
『やっほ〜王賁、久しぶりだね。』
「………。」
近頃は大きな戦が無かったが、じきに迫る次の戦は大規模なものになるようだ。
隊の者みなが、長引きそうな遠地への出立準備に余念がない。
そんな時、一年前に忽然と姿を消したAが目の前にいる。
王賁は唖然とした。
ーーー
王家の庭にある池で手入れされた蓮の花も咲く季節、
今日も暑くなりそうな日。
王賁が鍛錬場へ足を進めていると、何やら外が騒がしい。
「例の武器職人一行ですな。王翦様の新しい矛が仕上がり馳せ参じたようです。」
番陽はすかさず王賁の耳に入れた。
例の、で通じるのは名のある将の多くはこの職人に製作を依頼しているからだ。
その証拠に連れてきている弟子の数も多い。
しかし親子関係が希薄で複雑な彼にとっては関係のないことだった。
「よし！本日はこれにて切り上げだ！」
番陽の呼びかけに王賁も緊張の糸を解いた。
鍛錬場から少し離れた水場で汗を拭いていると見知らぬ女がいる。
『あなたが王賁様？一人だけ群を抜いて強かったからすぐ分かったよ。』
「誰だお前は。」
あぁごめんなさいと謝るとAは眉を下げ少し困ったような顔をした。
聞けば父の王翦が今、相見えている武器職人の娘らしい。
首を長くして待っていた矛の仕上がりに応え、食事と酒が振る舞われたのだと。
それほどまでに良い出来だったのだろう。
『父の手伝いで同行したんだけどもうやる事が無くなっちゃって…あ！ちょっと。』
「俺は暇ではない。」
王賁は関わりたくないといった表情で水場を後にし、誰もいなくなった鍛錬場で再度槍を手に取った。
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
