怪我の功名（王賁） ページ11
「しっかし本っ当にもの好きだよなーお前！」
『しっ…しー！声が大きいってば！』
玉鳳隊の伝者として飛信隊を訪れてから四半時、Aは隊長の信に捕まってしまった。
しかも皆酒が入っており、赤ら顔でしゃべる声も大きい。
飛信隊とは戦で何度も顔を合わせている為、会えば信ともよく話す間柄だ。
王賁はただ礼儀や身分をわきまえられないだけだと言っていたが、誰に対しても分け隔てなく接する態度の信はAの目に新鮮に映った。
ある時、隊のために夜営地付近の水浴び場や温泉を探していたり、返り血で汚れた王賁の衣を川で一心不乱になって洗っているのをたまたま信に見られた。
なんでそんな必死こいてんだ？
から始まり次々と降ってくる問い掛けに、とうとう慕っていることを言ってしまった、というわけだ。
「堅物お坊ちゃんの何処がいいのかさっぱりわからん！！お前も飲め。」
『信には当たりがきついもんね。いつもごめんねー。でも賁様だって良いところがたくさんあるんだよ。
あ、私は下戸だから。』
酒杯を突き出す手を押し返す。
「それで報われんのか？」
酔っ払っているわりに確信めいたことを聞かれるAはこれだけは自信を持って応えられた。
『賁様の身の回りのお世話をして近くにいられるだけで幸せなんだ。』
―――
『いい加減もう帰らなきゃ。』
立ち上がろうとすると、酒が無理ならお茶の一杯でも飲んでけ〜！と肩を組んできた男。
盃を口に押し当てられ、つい流し込んでしまった。
『これお酒じゃない！』
「いいぞ〜尾平！あと一杯飲んだら帰してやんよ！」
…酔いが回る前に帰ろう。
しかもかなり強い二杯の酒は下戸である身にはこたえる。
ふらりと立ち上がると、真向かいからゆっくり近付いてくる人物にAは目を見開いた。
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
