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「Aは、何かを尊いと思う？」
「…尊いってなあに？」
「ああ、そうだね。そこからはじめないとね。」
その頃のオッパは私にとって、私よりもずっと年上で、
ずっと何でも知っている人に見えていた。
もちろん今だってそう思うけれど
あの頃、両親と離れたばかりの私には
彼がほとんど全てだった。
他のお兄ちゃん達と打ち解けるのは
もっと後になってからだったし、
無論、彼みたいに親のような優しい目で私を見てくれる人はいなかった。
だから物心がついた時から私は彼を本当に尊敬していた。
だけど妙なことになんとなく少し遠い世界の人だとも思っていた。
「僕らが今、毎日祈っているのはどうしてかな？
決められたことだからやっている？
それともそうしなきゃならないって思ってるから？」
オッパが背中で鼻をすする私に問いかける。
「しなきゃならないってお兄ちゃんが…」
「そっか。じゃあお兄ちゃん達がもうやめようって言ったらやめる？」
「……わかんない」
泣きべそをかく私をいつもみたいにおんぶして
オッパは家までの小道を降りていく。
私はがっしりとしたその背中に体重をあずけて
ぎゅっとそのブラウスの肩を握っていた。
「A、これはね、本当はお前の意思なんだよ。
そしてお前の意思は何でできてるかわかる？
…あの人が創ってるんだ。
お前の意思もお兄ちゃん達の意思も、
この世界の人間すべての意思もね。
そして意思っていうのは人間を作るものなんだ。
だから、あの人は尊いんだよ。
あの人が僕たちを創ってるんだから。」
その帰り道、
ジンオッパは淡々と私にあの人の話をした。
当然はじめはなにを言ってるのか全然わからなかったけれど
それでもそんな話をオッパの背中で毎日聞いているうちに
それまで義務でしかなかった集会が
なんだかとてつもなく大きな意味を持っているものに思えるようになった。
そして、時々そのよくわからない感情が突然不安になって
私が泣けば、いつもお兄ちゃんはこう言うんだ。
「大丈夫。
ここではお兄ちゃん達が
お前をずっと守ってあげる。」
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ふうかい1210505956 - 今更ながら更新してほしいです (2022年2月4日 23時) (
レス) @page35 id: b5861f5cf9 (このIDを非表示/違反報告)
れも - ホント今更なんですけどもう更新はないですかね… (2021年9月1日 21時) (レス) id: 44b2d7bf61 (このIDを非表示/違反報告)
annnnnnnna4(プロフ) - とても続きが気になります！更新頑張って下さい(^^) (2018年12月17日 1時) (レス) id: bb84cb866b (このIDを非表示/違反報告)
マリリン - こんな凄い話久しぶりに見ました！続きが早く読みたいです！いつ再開してくれますか？ (2018年12月13日 16時) (レス) id: 211b9b7947 (このIDを非表示/違反報告)
ジェンナ(プロフ) - レモンさん» 今からは正直キツイですすみません！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: ccdc45a3c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジェンナ
| 作成日時：2016年11月14日 23時
