花言葉を数える【小説version】

第３話（けきしろ） ページ4

【フジ】

今日からこのアキュラ学園の一年になる新入生の入学式。
この日が俺にとって特別な日になる事は間違いない！！！





先生の指示に従う新入生の集団を見て俺はふと思った。

「可愛い子多いな」

い、いや！別に二年と三年、それに先輩方が可愛くないというわけじゃなくてただ今年も美人さんが増えるんだななんて考えてただけで…ってこれも他意はないんだ！偏差値高いなって考えてただけでそれで……

「__おい、顔が赤いぞ？藤、お前だけ保健室行くか？ん？」

「あっ！？だ、大丈夫…です」

ひそひそと「また顔が赤くなってるよー」「何考えてるんだろうねー」なんて聴こえて更に顔が熱くなるのを感じた
あぁ、今日は最悪の日だ





「俺もお前も三年だぜ？自覚あんのかよフジ」

「ははっ、やめろよ」

さっきの授業も上の空だったじゃんかよ〜とゲシゲシと肘で俺を押してくる友人。もちろん自覚はある。
そう、俺の後輩が増えるというわけだ。俺もいつまでも後輩気分で先輩に甘えるわけにもいかない

「俺はもう一年でも二年でもないんだから甘えさせてやらないとな」

「お、おー…頑張れよ」

俺は立ち上がり辺りを見回した

「ん？どうしたんだよ？」

「挨拶もろくにできてないから一年見つけたら声かけてみるかなって」

「へー…そいつは頑張れよ。俺は寮戻るわ」

「お前も来いよ？せっかくいい天気なんだから日光浴しないと損だぞ？」

明るい場所苦手なんだ、と歩き始めた友人がこちらを見ずに手を振った

仕方ない、俺だけで行こう。一年、一年は何処だ…？

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