まふに色んなことしてみた！【短編集】

思いっきり抱きしめてみた ページ12

「まーふーまーふーさんっ！」




「うわあっ！？」




作業をしているまふに思いっきり抱きつく。




そして、ぎゅっといつもより力を込めて抱きしめた。




「…？A？」




力加減がおかしくてまふは心配になったのか、私の右腕を握ってきた。




…このあと、どうしよう。




なんっということだ！Aさん、うっかりしててこの後の展開考えてなかった！




「おーい、Aさーん？」




まふがペシペシと、私の背中を軽く叩いてくる。




な、なんか言わなきゃ。




「えっと…」




一旦離れてから、少しまふを見上げておねだりしてみることにした。




「き、キス…してほしいな。…なんて」




「！？」




う、うわ、まふの顔がみるみる内に真っ赤に…！





「反則…っ！」




まふはそう叫んで私の腕を引っ張ると、私にキスをした。




「んっ………！？ぅ、んんっ！」




「ん…」



キスはいつもより深くて長かった。だからなのか、私の頭はぼーっとしてしまう。




あ、駄目なやつだ、これ。まふのことしか考えらんない…。




「っは……なぁに、A」




まふは私から唇を離すと、私の唇を親指でなぞって、妖しい笑みを浮かべた。




「ずっと、こんなことして欲しかったの…？」




「〜ッ！！」




まふの低音ボイスにはまだ慣れなくて、逃げるように頭をまふの胸板に押し付ける。




反則なのは、こっちの台詞だよ…。




「だいじょーぶ。Aが望むなら、俺、何回でもキスしてあげるよ」




「ま、まふ…」




俺、に反応して顔をあげると、まふはすっかり雄の顔をしていた。




あ、やばい。スイッチ入っちゃった…？




「大好きだよ、A」

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ラッキー歌い手

志麻

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