悪魔の実？いいえ。体質です 【番外編3】

＊ ページ7

〜A〜



義祖母｢Aちゃん。ロシナンテさんからお手紙よ｣


｢ありがとうございます｣


約半年前


ロシナンテさんの知り合いというご老人に私は引き取られた



音沙汰なかったロシナンテさんから初めて連絡がきた



義祖母｢どう？いつ帰ってくるって？｣


｢もう………帰ってこないと……｣



手紙には、紙切れが一枚同封されていた


手紙には、たくさん｢ごめん｣と書かれていた



謝るぐらいならどうしていなくなるのさ





人が死ぬってこんな感じなんだ


胸が張り裂けそうなほど痛い




声も涙も枯れるまで何日も永遠に泣き続けた





もう会えない




それが絶対だとなぜか確信を持てた







ロシナンテさんは私が困らないようにと、トラファルガー・D・ワーテル・ローさんという人物への道標を与えてくれた



義祖父｢本当に行ってしまうのかい？｣


｢はい。ロシナンテさんの大切な人に、会いに行かないといけないんです。今までお世話になりました｣


手紙には10歳になるまでに必ず会って欲しいと書かれている



あと3年と少し



私はこの広い海をたった一人で渡らなければならない



いつまでも泣いてばかりじゃダメだ



ロシナンテさんはいつも笑ってた


笑いかけてくれた




笑顔はロシナンテさんが私にかけてくれた魔法なのに……




笑うのが辛い



ローさんに会いに行くなんてのは建前




本当はロシナンテさんとの思い出を共有出来る人と一緒にいたくなかった



側にいると一生笑えなくなりそうで怖かった



私は短い時間でも一緒にいられるだけでよかった




それ以上を一度も望んだことなんてなかったのに





ねぇロシナンテさん





死んじゃうときも笑ってた？


私を想ってくれてた？





私はずっとロシナンテさんを想ってたよ




もう届くことのない想い(こえ)は空の彼方に消えていった

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