lemon (ページ20)

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Rj｢..顔色悪いぞ。｣
｢........今日、おとうさんとおかあさんが来るの..｣
Rj｢お前の父ちゃんと母ちゃん今どこにいるんだっけ？｣
｢アメリカ..｣

今日は特にべったりと俺から離れないAのセットされた髪を崩さない程度に撫でれば、猫みたいに擦り寄ってくる。何だかんだこいつも人間なんだな、普段サイボーグみたいだけど。
本番が近付くにつれてAの顔から表情が無くなってく。

Hc｢何て顔してんだよォ。｣
｢ふつう、｣
Hc｢ぶっさいくだぞ。｣
Rj｢おめェに言われたくねぇよ。｣
Jm｢すごい借りてきた猫みたいじゃん、かぁわいい。｣
｢はへへ、｣
Jn｢可愛い可愛い。｣

ドンヒョクに両方のほっぺたを抓られて好き勝手されている。俺らはこいつの事をあんまり知らないけど、家族を除けばきっと俺らが近いんだ。
細い指が縋るように手を握ってくるから、握り返す。

ステージは普通に成功したと思う。Aを見る周りの視線は冷たいものもあれば普通に応援しているものもあった。

｢おかあさん、｣

そう小さくつぶやいて、両親なんだろうと思われるふたりのところに走っていくAを見る。普段澄ました顔をしている方が多いのに、ふにゃんと瞳を弛ませて両親に抱きしめられている。

Jm｢あれ、Aのご両親？｣
Rj｢らしいな。｣
Jm｢....似てないね..｣

赤の他人みたい、そう小さく呟いたその言葉が変に頭に残った。