植物状態 ページ17
千切「完璧に断たれたら、もう諦めがつくと思って。」
「神様ってとことん私たちに甘いよね。」
千切「は?」
「だって君のその足もう治らなかったかもしれないんだよ。また、サッカーができるなら、いいじゃないか」
千切「なんだよ神様って。神がいるなら、俺が怪我しなくちゃならないのはなんでか説明してくれるか?」
「おっと、ごめんね。気に障ったかな?私が一方的に君に質問するのは良くないね。君が私に聞きたいことはある?」
しばらくして、千切が口を開いた
千切「なんで、なんで俺を呼んだ?励ますためか?なら、必要な、」
「一緒だからかな、」
千切「は?」
もしかしたら自分と同じなのかもしれない。何かスポーツをしていて怪我したのかもしれない。そう思った
「私もね、高校までサッカーやってたの、結構上手かったんだよ。全国優勝はできなかってけど。準優勝はしたんだから。」
「でもね、高校卒業してやめて、でもサッカーが好きだったからなんだかんだやってたの。それから20歳の頃かな?事故にあって。内臓が潰れたの。」
千切「え...」
「結構あれだからあんまり言わないし、想像しない方がいいよ。(微笑み)」
「それから、12年くらいかな?ずっと植物状態だったの。まず、助かる見込みがなかったんだよ。そんな中目覚ましたのが奇跡。今こうやって歩いているのも奇跡。」
「私は、神に呪われてるんだよ。そして同時に愛された。だからこうやって今生きている。」
「だから、君は大丈夫。」
「私なんて内臓が潰れても生きてるから、君のその足も大丈夫。」
そう言って、苦しそうに笑うAに千切も胸が苦しくなった。千切の想像していたものを遥かに超える絶望がAを襲っていたのだ。
「だから、私若く見えるでしょ。いくつに見える?」
さっきとは違った明るい声で話すAに千切は耳を傾ける。
千切「18か、19。」
「ぶぶー、32歳でしたー。ちなみに絵心くんの2つ上。の先輩。」
千切「は?」
「いやーでも20歳から12年植物状態だったから実際20歳なんだけどね。戸籍だけ32歳。」
どこから見ても30には見えない顔に千切は言葉が出なくなる。なんなら、自分と同い年と言われても頷けるような顔つきの女性が自分の倍近く歳があるとは思えなかった。
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よもぎもち(プロフ) - 魑魅魍魎さんコメントありがとうございます!!更新頑張らせていただきます (2023年1月30日 13時) (レス) id: 491271d6f0 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - わくわくです!!好きです!!応援してます!頑張って下さい!! (2023年1月30日 8時) (レス) id: 0529b76d34 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 蘆花様!コメントありがとうございます。絵心さんのキャラ崩壊が止まりません。神谷浩二にこのセリフを言ってほしいと思って書いております。あと、誤字の指摘ありがとうございます。確認して直させていただきました。更新これからも頑張らせていただきます (2023年1月25日 22時) (レス) id: 4180e9927d (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - おおなんか絵心さんがこういうの嬉しい…笑 ところで絵心さんの6ページぐらいの台詞でどうでもいい嘘つくと思う?のところが誤字っている気がします!今までにない感じで面白いです!更新頑張ってください! (2023年1月25日 21時) (レス) @page7 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年1月17日 13時