きっと、ヌナは涙を拭う。

119 分からないふりはやめて ページ19

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「……それって…」





どういう意味？







聞きたいけれど、聞くのが怖かった。









そんな私の沈黙を補うかのようにテヒョンは言葉を続けた。









TH「俺確かに今日の朝、無理に言わなくてもいいよって言った。

…言ったけど、でもヌナが泣いてるなら話は別だから」





「え？」




TH「ジョングクと何があったの？」







真っ直ぐに私を見つめるテヒョンの表情からは、彼の感情が一切読めなくて。






そして不意に出てきたグクの名前に心臓がどくりとした。








TH「俺はヌナの言葉を信じてるし、ジョングクとヌナの2人のことに口を出せる立場じゃないことなんて分かってる」






じわじわと自分の心臓の鼓動が早まっているのが分かる。







TH「……でもああやってヌナが泣いてるのを見ても何も聞かないでいれるほど、俺、大人じゃないよ」








私から目を逸らして、下唇を小さく噛み締めたテヒョン。






彼が言いたいことがほんの少しだけ分かるような気がして、けれどやっぱり分からなくて。









「……あの」



TH「なに？」



「………え、っと」



TH「俺が言いたいこと分からない？」





寂しそうに眉毛を下げるテヒョン。








そんな表情を見ると、頷くことさえもできない。









それにきっと私は頭の片隅では分かってる。





テヒョンの気持ちも、今彼が言いたいことだって。









けれどそれを受け入れるのが怖い。


責められるのが怖い。





テヒョンに嫌われてしまうのが、怖い。








TH「………ごめん。やっぱ、いいや」






寂しそうに笑って、ふいっと逸らされた目線に、見捨てられてしまったような気持ちになって。









じんわりと滲んでくるもの。






ほんと勘弁してほしい。


どうしていつもいつも我慢できないのか。







「……ごめん、テヒョン」



TH「………泣かないで。

ごめん、泣かせたくないのに俺が結局泣かせてる」



「…それは違う！


テヒョンが言いたいことほんとは私分かってるの…」









綺麗な三白眼が小さく見開かれる。







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