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「綺麗だね」
JK「ね」
ドライブしている途中、綺麗な夜景を見つけてジョングクに車を止めてもらった。
車から降りて夜景を見ようと彼と2人で歩く。
「…あっ、」
なんでもない段差でつまづきそうになった。
JK「ふふ、ヌナ」
そんな私を見かねたジョングクが、優しく笑いながら手を差し出してくれた。
「…ありがとう」
ドキドキする心臓を抑えながらその手を握った。
少し歩いているとベンチが見つかったからそこに2人で腰を下ろした。
私たちを包むのは優しい夜風と少しの沈黙。
JK「…ヌナ」
「なに？」
JK「なにか最近悩んでることあるの？」
「…え？どうして？」
突然そう言うジョングクに驚く。
JK「今日もときどきぼーっとしてたし、なんか寝不足そうだから」
図星だった。
最近見ているあの夢の内容が重たすぎて、私にもたらす悲しみが底知れなくて、だんだんと眠るのが億劫になっていた。
出来るだけ睡眠時間を短くしようとしたりしてなるべく起きていたけど、結局毎回あの夢を見ることに変わりはなかった。
「…なにもないよ」
けれどこんな話をグクにしても困らせるだろうし誤魔化すしかなかった。
JK「…ほんとに？」
「うん、ほんと」
けれど私のそんな返答に納得いってない様子の彼は、何も言わずにじっと私の目を見つめた。
その全てを見透かされそうな真っ直ぐな瞳が怖くて、思わず俯いてしまう。
JK「…ヌナ、こっち向いて」
ジョングクはそう言って、俯いた私の頬を優しく両手で包むとそっと私の顔を彼の方へ向けた。
JK「俺は何があってもヌナの味方だよ。
…そんな俺にもやっぱり言えない？」
私の目の前には本当に優しく私に微笑むジョングクがいた。
え…また、だ。
既視感。
その瞬間、それが私の脳内を占めた。
そしてそれと同時になぜだか悲しい気持ちで胸がいっぱいになった。
…ジョングクにこうやってされたこと前にもなかったっけ？
既視感といってもいいのだろうか。
そう思うぐらいそれは確信に近くて。
けれど私はジョングクと出会ってからそんなことをされた記憶は一切なかった。
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
