どうしようもない女

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［ジョングガ！飲んでるかー！］



大学の友達に無理矢理連れてこられたクラブ。

重低音の音楽が爆音で流れてるせいで耳が潰れそうだ。最悪。
しかも下品そうな女と男が体を密着させて踊っている。
見てるだけでも吐きそう。



「お客さん、飲まないの？」



にこにこしてて、餅みたいな人に話しかけられた。
格好からしてバーテンダーっぽい。
なんか嫌な感じがしたので、無視しておいた。



「トイレ行ってくる」

［え？なんてー！？］



もういい、こんなとこ二度と来ねえ。

一刻も早くこの場から離れるために友達を置いてトイレに向かう。
このままバックれてもいいかな。うん、いいよな。


廊下に出ると、薄暗くて一気にシンとした空気に変わった。
これはこれで気味が悪い。


それより、トイレどこだよ。
あ、あの奥のあそこか。

廊下をうろうろしていると隅の方で男女がコソコソと何かをしていた。

もしかしてお盛ん中？

そうだとしたら最悪なんだけど。
俺がトイレに辿り着くにはこの人達の横を通らなければならない。



「じゃ、7万ね」

「えーたかーい、負けてよお」

「だめ。俺も生活かかってんの」



横を通る時、チラッと横目で見えたもの。

男が女に小さい袋に入った白い粉を渡していた。


絶対俺、見ちゃいけないもの見たよね。

いや、俺はなにも見てない見てない。



「でもまさか、テヒョンがこの世界に帰ってくるなんてね。
病みつきになっちゃったぁ？」

「うるさい。俺はお前らとは違う」



え、今なんて？


テヒョン、って言った？この女。



聞き間違いではない、絶対に。


…なんだ、ラッキーじゃん。

Aとこの男を離れさせる方法がこんなに早く見つかるなんて。



「はっ、ざまぁみろ」



俺がAの呪いを解いてやる。




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