13 ページ13
*
ある日突然、俺にヌナができた。
『A、です…えっと、よろしく?』
なんか、変な感じだね。
と笑う彼女がとても綺麗で、
だけど何か近寄りがたいオーラを纏っている女だった。
何を考えてるか全く読めない、そんな感じ。
初対面だからそりゃまあそうだろうとその時は思っていたけど、
未だにAのことは掴めない。
気づいたら家にいないし、
ふらっと何処かへ行ってしまいそうで
俺は不安でしょうがない。
でもそんな彼女に俺はいつのまにか引き込まれていた。
『ただいま、ジョングク』
ほらまた朝帰り。
服に染み付いた煙草とキツイ香水の匂いで一気に目が覚めた。
俺はこの匂いが大っ嫌いだ。
『今日の夜なに食べたい?』
幼い頃に母親を亡くした俺は、
ずっと父さんの不味い料理を食べてきた。
勿論弁当なんか作ってもらったことなくてずっと買い弁で。
そんななか、Aがうちにやって来て家事をこなしてくれて本当にありがたい。
父さんもそんなAにデレデレ。
『ちょっと、聞いてる?』
おーい、なんて言いながら俺の前で手を振るA。
「なんでも」
『素っ気ないなあ。夜は?うちいるの?』
それはこっちのセリフ。
「いるけど」
Aと違ってね。
『じゃあ久々にみんなでご飯食べようよ』
お父さん何時に帰ってくるんだろー。
なんて言いながら早速晩飯の用意を始めだした。
…いや、まだ朝なんですけど。
『下ごしらえってやつ』
ああね。
キッチンで一人ドタバタと準備をしているAを
横目に俺は再びテレビに目線を戻した。
その時ふと目に入ったAの鞄。
ソファに置かれた鞄に差し込まれている透明のファイルから、
" 賃貸マンション "と書かれた紙が見えた。
「…は?」
俺が一番、恐れていたことが起きようとしている。
Aが俺から離れていく。
その前に、どうにかしなくてはならない。
.
533人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まい(プロフ) - 第1章おつかれさまでした!続きも気になるところですが新作もグクとヌナと聞いてとても気になっております!!!どちらも楽しみにしています!いつも素敵な作品をありがとうございます^^ (2019年3月19日 11時) (レス) id: 14d58fc984 (このIDを非表示/違反報告)
chiharun(プロフ) - どうしようもない女pt2が読みたいです (2019年3月19日 10時) (レス) id: 39d0501df3 (このIDを非表示/違反報告)
chiharun(プロフ) - 続き気になります! (2019年3月18日 21時) (レス) id: 39d0501df3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイキ - とっても、面白いです。更新、楽しみにしてます。(続きが気になる…………)頑張って下さい!!! (2019年2月8日 23時) (レス) id: f984a78910 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 面白かったです!評価させて頂きした。更新頑張ってください! (2019年2月8日 20時) (レス) id: 53d847b889 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うゆ | 作成日時:2018年10月22日 23時