９５L i n e .【２】 (ページ18)

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ピンチページ18

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〈えー、次の曲はサブステに移動して、そこから……〉

ツアーもいよいよクライマックス。

いろんな国と地域をまわって、その幾度ステージも変わるわけで
演出などもその場所に合わせて細かく修正されていく。
そのため、毎回念入りなリハーサルと打ち合わせが行われるんだけど…

これが何年やっても覚えるのが苦手で…
毎回演出の紙とメモするためのペンは絶対に欠かせない。

JK「んー？次はどこに行けば…」

視線の隅に映ったジョングクも私と同じように紙を持ってキョロキョロしている。
でも、あまりにも紙を見るのに夢中でステージの端まで
移動していることに気づいていない。

LN「ジョングガ！！！危ない！！」

落ちる、

咄嗟にそう思った時には既に体が動いていた。
急な方向転換をしたせいなのか、膝から変な音がした気がするけど今はそれどころじゃなくて、

JK「わっ……ヌナ！？」

LN「っ、セーフ！！」

なんとか間一髪で阻止できた。
はあ、よかった無事だ…私もろとも落ちそうで怖かった…

JH「ジョングギ大丈夫か！？」

SG「なにがあった」

JK「いや、俺が周り見れてなくて落っこちそうになって、ヌナが助けてくれて……ヌナ？」

安心したのは束の間。
なぜか左膝の力が一気に抜けてその場に崩れてしまった。
そして左膝を襲う激痛。

LN「っ、いったぁ……」

JK「ヌナッ！？！？！？」

V「A！？！？」

やっぱりさっきの変な膝の音は気のせいじゃなかったんだ。
やらかした…完全にやらかした。

只事じゃない空気を察してか、
メンバーの皆んなとスタッフさんが何人か集まって来た。

RM「どうした！？」

JK「俺のせいで、ヌナがっ、！」

LN「大丈夫だから、そんな顔しないの！」

今にも泣き出してしまいそうなジョングクを見て、
変な心配掛けられないなと瞬時に思った。

JN「とりあえず裏に戻ろうか」

JM「歩ける…わけないよね」

LN「や、ちょっと一瞬肩貸してほしい…」

もしかしたら何かの奇跡で歩けたりするかも。
なんて馬鹿なこと考えながら、なるべく膝を使わないよう
立ち上がってジミナの肩に捕まりながら一歩を踏み出した。

膝が脱臼したみたいな変な感覚と今まで感じたことのない激痛。
歩けるわけないよね、そりゃ。
だってブチって変な音したんだもん。

LN「なんとか、いけそうかも、はは」

JK「ほんとに、？」

LN「ほんとほんと。だから心配しないで」

だけど、私はアイドル。
本音を隠すのは大の得意。