【文スト】N極の君とS極の私【中原中也】

よん ページ4

中原中也.



信号につかまり、車が止まる。男は前を向いたまま、言葉を繋げる。

「”そういう”ところです。

…ポートマフィアの中でも、特に問題のある、若しくは問題を起こした荒くれ者の集まり。任務を振っても、計画通りに遂行されることはほとんどない。あれば奇跡です。」

「だから任務を振られない、と。」

クソ太宰がまとめるように言ったが、男はあっけなくそれを否定する。

「いいえ？任務は振られます。」
「あ？任務を遂行出来ねェ奴らにか？」

「任務が遂行出来ないのは隊長がいない場合のことです。隊長はその荒くれ者どもを上手く使って、任務を完璧にこなします。

…が、気分屋なところがあるので、急ぎの任務などが振られません。振られるとしても隊長が首領に何かを要求します。」

「森さんはその隊長さんの上司だよね？どうして森さんに何か要求できるような権利があるの？」

「分かりません。それは首領と隊長の間の話です。

次に隊長について…話したいところですが、到着しました。降りてください。」


車が止まり、運転していた男が紅茶の箱を持って車から降りる。

俺と太宰が降りたのを確認してから歩き出す。


「隊長については、本人と関わったほうが分かりやすいです。敢えて言うなら、気分屋で、面倒くさがりなひと。

嗚呼、いました。ほら、あのひとです。」

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