【文スト】N極の君とS極の私【中原中也】

じゅういち ページ12

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『ららちゃんのことだよ。』
「蘭さん？暗殺者なの？」

興味深々といった様子で、太宰治くんは聞いてくる。


『うん。ららちゃんの異能は暗殺向きでね。……只、あの子は必要のない殺しはしない。だから君を殺すこともない。

残念だったね、太宰治くん。』

「……………。」



「おい。」
『はいなァに？』

ずっとだんまりだった中原中也くんが声を発する。

「さっきからどこに向かってる？」
『隊員配達兼、君たちの部屋へ案内中。…君たちはそれぞれ、ここのある一部屋で暮らしてもらうからね。』

「嫌だ、と言ったら？」
『嫌でもなんでも、決まってることだから。君たちの上司さんたちの決定に従って。』

「………。」


中原中也くんがまた黙ったのを横目で認めて、十七人いる隊員をひとりずつ各部屋に突っ込んでいく。

『あー、飽きた。もういいや、談話室行こう。』
「はぁ？！」

後三人を残して、面倒になった。その三人を連れたまま談話室に行こうとすると、中原中也くんが叫ぶ。

その声が大きいものだから、太宰治くんが中原中也くんに抗議する。

「、ちょっと中也、五月蠅い！…背は小さいのに、声”だけ”は大きいのだね。」

余計な一言を添えて。

「あぁ？！手前だってそんなに背変わんねェだろうが！！」

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