【d!】姉1人に対して弟11人はキツくないですか！？

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俺は元々そんな裕福な家の生まれやない。

父親は早くに亡くなってたし、母親しかいなかった。

夜遅くまで仕事して、家帰ってきたら家事をして…って過労状態だった。

でも自分も甘えたい時期やったから我儘をいっぱい言っちゃってた。

で、冬のある日。風邪を引いた。

学校でも流行ってたしそこまで免疫のない自分なんてあっさりかかってしまった。

お母さんはその日仕事を休んで付きっきりで看病してくれた。

ご飯はそんな多く無かった。

でもその日は違った。健康に良くて、胃にも優しいものが出た。

それを自分はなんとも思わず食べてたけど、実はあの日。お母さんは自分の分の食費を削って自分にご飯を用意してくれてたのだ。

そんな栄養のあるものを数日食べれば完全に回復した。

でも、お母さんはやつれていた。

大丈夫かと聞けば大丈夫と返ってきたからその時はそれで安心していた。

だから…

学校に復帰して、前のように友達の喋っていれば先生が息を切らしながらやってきた

「ゾム君！今すぐ！」

先生にそう言われて自分は何事だろうと思いつつもついて行った。

ついて行った先は校門で、外には車が止まっていた。

「詳しいことは車の中で〇〇先生に聞いてね」

そう言われ、とりあえず了承の意味も込めて頷いてから車の助手席に座る

中には先生がいて、自分がシートベルトをしたのを確認して走り出した。

「先生？どこ行くの？」

「…ゾム君…お母さんがね…今日…倒れたの」

だから病院に行くのよ。

そう言われ、最初は理解ができなかった

お母さんが倒れた？

その事実を受け止められなかった。だから病院に着いて、案内された病室で、たくさんの管に繋がれた親を見た時は夢かと思った。

お医者さんに聞けば軽い栄養不足と過労だという。

その時思った。

もし自分が我儘を言わなければと。風邪をひかなければと。そうすれば倒れずに済んだのかもしれない。なんて思った。

そう。倒れただけならよかったんだ。

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